代役ロボット
公開日時 2013/04/10 04:00
ニューヨーク郊外に住む7歳のデイビッドは、ひどいアレルギーのために学校に通うことができない。一日の大半を自宅の自分の部屋で過ごすことを余儀なくされている。でも、デイビッドは、毎日、近所の小学校の授業に出席し、クラスメートに混じって発言もすれば、宿題もこなしている。勉強だけでなく、休み時間には友達とカードゲームをしたり、レゴでつくった作品を自慢しあったりもすれば、学校行事があれば皆と一緒に出席する。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
デイビッドが、自宅に居ながらにして、こんなふうに学校生活を楽しめるのは、VGOと呼ばれる代役ロボットのおかげである。VGo Communications社が開発したRemote Student(遠隔生徒)と呼ばれるロボット/サービスである。
デイビッドにかわって学校に出席するロボットには音声と画像の双方向通信技術が内蔵されており、デイビッドは、リアルタイムで、ロボットのカメラを通じて自宅のモニターで学校や友達の様子を見ることができ、一方、クラスメートはロボットの顔?の一に取り付けられたモニターに映し出されているデイビッドの顔を見ながら、デイビッドと話をすることができる。
実際、クラスメートたちは,ほとんど違和感なくロボットを通じてデイビッドとコミュニケーションをしているという。http://www.vgocom.com/
VGOは、双方向コミュニケーション型ロボットの開発をめざし、2007年にニューハンプシャー州に設立されたVGoCommunications社が2011年にリリースした製品/サービスで、一般企業のオフィスで使われているほか、医療現場では入院患者のモニタリングや在宅ケアの見守りや遠隔診療に活用されている他、デイビッドのように遠隔教育を余儀なくされている生徒のための支援ツールとしても試用されている。