厚労省 ヤンセンファーマに業務改善命令 委託先工場のGMP不適合で
公開日時 2012/02/20 04:00
厚労省は2月17日、ヤンセンファーマに対し、同社の製造委託先である米BVL社の無菌製造の構造設備などに不備があり、薬事法で定める製造や品質の管理基準であるGMPに適合していないとして、同法に基づく改善命令を出した。BVL社は11年11月から製造を一時停止しているが、BVLが唯一の製造元である抗がん剤ドキシルは代替工場が見つかっておらず、市中在庫限りの状態で、代替薬を処方するなどの対応を続ける。抗がん剤ベルケイドも製造されていたが11月以降、他の委託先のものが供給されている。
BVLは11年11月に、欧州医薬品庁(EMA)からGMPの不備などで製造品の回収勧奨勧告を受け、日本でもヤンセン含む複数社が、品質上の問題はなかったものの予防的に自主回収をした。健康被害の報告はない。それを受け医薬品医療機器総合機構(PMDA)もGMP調査を進めていたが、その無菌製造での微生物汚染に対する防止などが不十分であり、ヤンセンにおいても製造管理の義務を果たしてしないことが判明。今回の改善命令に至った。
改善命令を受けヤンセンは同日、「GMP遵守、各種規制遵守の徹底をはかり、再発防止に向けて真摯に取り組み、社会の信頼回復に努めてまいります」とのコメントを発表した。ドキシルについては「代替工場での製造などを含む様々な選択肢を現在検討」しているという。