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ノボは何故バイオシミラーインスリンを恐れないか

公開日時 2010/12/10 04:00

ファイザーがインドのバイオコンと提携、バイオシミラーインスリン市場に参入すると発表した。デンマークのノボ ノルディスクは、インスリンでは世界トップの地位を占めるものの、売上ではファイザーの5分の1の規模にすぎないが、ファイザーの動きに動じない様子だ。


多数のブランド品インスリン製剤は2015年に特許が切れ、その後の低価格のバイオシミラーインスリン製剤との競争に直面せざるを得ない。しかし、ノボはバイオシミラーインスリンの攻勢をかわす戦略として、①高価値を持った革新的次世代インスリン、②優れた注入機器、③使いやすく価格競争可能な製品―を掲げ、対処できると見ている。


ノボは過去20年、インスリン製造工程に投資を続け、最適化製造工程を実現、その効率性が評価され、ブラジル政府から1550万バイアルのヒトインスリンの製造受注を獲得した。インスリン製造施設は、他の治療用タンパクとは異なり、大量のボリュームを必要とし、しかも、常時発酵状態を継続するなど参入に困難な点があるため、サンドが一旦は参入を計画したが断念に至った。


ファイザーは、バイオコンと提携を行ったが、自社ではバイオシミラーインスリン製造への投資は計画しておらず、商品化と販売を行う。


ノボがバイオシミラーの攻勢をかわせる強みは同社のペン型注入器にもある。同社のMads Krogsgaad Thomsen上級副社長は、「患者はペンについては好みがうるさく、保守的。長期間使用しているものを変えたがらない」と自信を示している。


ノボは、2011年末までに超長時間作用型のInsulin Degludec(理論上週3回投与)およびInsulin Degludec+速攻型食後インスリンアスパルト(DegludecPlus)で他社製品との差別化を図る考えだ。
 

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