エーザイ エコナビスタを総額160億円で完全子会社化 認知症プラットフォームのコアソリューションへ
公開日時 2025/03/17 04:51
エーザイは3月14日、エコナビスタ(東証グロース市場上場)の普通株式および新株予約権を公開買付け(TOB)により取得すると発表した。TOBは3月17日から5月7日。買付代金の総額は約 160億円。同社はSaaS型高齢者見守りサービスを展開しており、24年7月24日に業務提携契約を締結している。今回の公開買付けについてエーザイは、「両社の強みを活かしたより多くのシナジー効果およびメリットを追求していくためには、エコナビスタの完全子会社化を通じた迅速かつ機動的な意思決定が必要であるとの考えに至った」と説明している。
エコナビスタが開発・運営する「ライフリズムナビ+Dr.」は、睡眠解析技術をベースにした SaaS 型高齢者見守りシステム。介護・医療現場向けサービスとして、居室内外に設置できるさまざまなセンサー・機器を活用して入居者の見守りを行うことができる。取得したデータは独自の解析機能により数値化・アイコン化してリアルタイムに各端末に表示され、データは介護記録ソフトに自動で連携入力される。
エーザイは、ライフリズムナビについて、同社が構築する認知症プラットフォームにおけるひとつのコアソリューションになると指摘。エコナビスタの「ライフリズムナビ+Dr.」について、全国の病院への販路拡大、及びそのグループ病院の経営層への紹介を通じた病院および病院傘下の高齢者施設への販路拡大を推進できるとしている。
また、エコナビスタの認知症予測AIおよびエーザイが開発した脳の健康度のデジタルチェックツール「KNOW」(非医療機器)を用いて、リスクを可視化し、医療機関への受診を促すパスウェイを構築するとしている。このほか在宅介護市場への拡大に貢献するとした。