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エーザイ・内藤景介COO 認知症エコシステム構築へ「プロデューサー役を果たす」社会善KPI達成に意欲

公開日時 2024/10/09 04:50
エーザイの内藤景介代表執行役専務COO兼チーフグロースオフィサーは10月8日、「価値創造レポート2024およびESGについての意見交換会」に臨み、2032年度までの連結売上シミュレーションとして、「営業利益率20%レベルへの改善」を目標に掲げた。アルツハイマー病治療薬・レケンビ(レカネマブ)については、「研究開発とコマーシャルに対し積極的に費用を投入する」と強調。「26年度以降はAD治療が革命的に進展する」と見通しながら、“収穫期”と位置付ける2032年度連結業績目標について、ROE25%レベル、DOE(株主資本配当率)15%レベルを見込むと断言。「32年度までの10年平均ROEは15%レベルになる」と試算した。

同社は、2023年度に5項目(認知症領域、がん領域、グローバルヘルス領域、人財価値の最大化、財務戦略)の「社会善を効率的に実現するためのマテリアリティ」を特定し、2025年度、2030年度の目標KPIを設定している。この日の意見交換会では、これら進捗状況を説明した。

◎レケンビ 「米国においては約90億円の社会的インパクトを創出した」

内藤景介COOは、同社の認知症領域の中長期ビジョンに触れ、23年度は、日米・中国で承認取得、日米で上市し、「米国においては約90億円の社会的インパクトを創出した」と強調。「最終目標の健常状態から、発症、治療、経過観察、そして予後までの全ステージを支え、包み込む認知症エコシステムを構築し、そのプロデューサーの役割を(同社が)果たすことを目指し、25年度および30年度の目標とKPIを着実に達成する」と意気込んだ。

一方、2032年度までの連結売上シミュレーションとして、「1stフェーズ」(22年度~26年度)の最終目標は1兆円レベル、「2ndフェーズ」(27年度~32年度)の最終目標は2兆円超と提示。「32年度までにAD治療はかかりつけ医の本格的な治療参画が始まる。AD診断、治療パスウェイが大幅に普遍化、簡素化することでAD治療が革命的に進展する」と見通し、「レケンビが本格的な成長期を迎え、2032年度までに収穫期となる」と成長への期待感を表明した。

◎エーザイの社員全員がビジネス時間の「1%」を患者や生活者と過ごす“共同化”に充当

内藤COOはまた、22年度に定款を一部変更し、「社会善」をより明確に規定したと説明。日常領域や医療領域で暮らす人々の意識を支える“エコシステムモデル”の構築を目指す方針を盛り込んだとし、「グローバルで活動する1万人を超えるエーザイ社員の全員がビジネス時間の1%を患者や生活者と過ごす“共同化”の時間に充てている」と披露し、「この共同化で得られた共感を起点に、患者や生活者のベネフィット向上のために“何をすべきか”を、誰よりも早く着想、実践、実証し、世界に発信していくことでその負託に応えていくのが我々のミッションだ」と強調した。その上で、疾患の予防から治療、予後まで一気通貫で顧客の憂慮を解決するデジタル・ソリューショを開発するとし、他産業と連携しながら同時並行的に取り組む姿勢を鮮明にした。

なお、認知症領域の重要マテリアリティでは、2030年度目標として、「他産業との連携で、当事者の日常生活をサポートする健康・予防に資する新規ソリューションをグローバルで年間約1000万人に届ける」とのKPIを設定している。
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