バイタルHD、ケアネットなど4社 ドラッグ・ロス解消で「LinDo」に資本参加 EBPへの開発資金調達も
公開日時 2024/02/15 04:49
バイタルケーエスケーHD、ケアネット、フォレストHD、メディカルインキュベータジャパン(MIJ)の4社は2月14日、日本で開発計画のない新薬の国内開発・販売を目的に設立した「株式会社LinDo(リンドウ)」に資本参加すると発表した。同社は、欧米で開発されているにも関わらず、国内未承認の新薬を低コストで開発し、その後の販売を支援することで、いわゆるドラッグ・ロス解消を支援するビジネスモデルを展開する。具体的には、医療に特化した独立系投資事業会社「ストラテジックLP」と連携し、欧米等で活動する有望な新興バイオファーマ(EBP)の探索や国内臨床開発費用の調達などを支援する。
LinDo(リンドウ)の持株比率は、MIJが47.6%、バイタルケーエスケーHDとフォレストHDがそれぞれ19.0%、ケアネットが14.3%。また、バイタルケーエスケーHDとフォレストHDは、MIJが設立した新ファンド「MIJ BG2 Limited Partnership(LP)」にも出資した。
◎LinDo社長 AZ、メルクセローノで取締役オンコロジー事業本部長を歴任した桂淳氏
LinDo(リンドウ)の代表取締役社長を務める桂淳氏は、かつてアストラゼネカ(AZ)とメルクセローノの日本法人で取締役オンコロジー事業本部長を通算15年間歴任した経験があり、AZグローバル本社のマーケティングにも3年間従事している。また、桂氏は現在、MIJの代表取締役CEOも務めている。
資本参加した各社の立ち位置は、ケアネットグループの協業により、これまでの製薬モデルとは異なる効率性を高めたリーンな開発・販売体制を実現できる。さらに、バイタルケーエスケーHDとフォレスト HD がサプライチェーンを担うことで、最小限の費用かつスピーディに開発・販売できる体制を構築できるとしている。
主なビジネスモデルは、①有望EBPシーズの探索と導入、②ファンドからのドラッグ・ロス解消を目的した資金調達、③LinDo(リンドウ)株主並びにファンドのストラテジックLP企業との戦略提携-がある。このうち有望 EBPシーズの探索では、海外EBPへの投資経験と強いパイプを持つMIJが行う。なお、EBPの探索と導入については、毎年200を超える評価を行った実績があるという。さらにファンドを活用した開発費用の調達額は200億円を想定しており、15~20品目に充当することを想定している。
このほか国内臨床開発から承認申請、販売、流通、市販後の安全性情報収集等の一連の工程を、LinDo(リンドウ)と今回資本参加した4社を通じて管理運営を実現するとしている。