日本新薬 伊・メナリーニ・グループと樹状細胞腫瘍用剤の国内開発・販売でライセンス契約
公開日時 2021/03/19 04:50
日本新薬は3月18日、イタリアのメナリーニ・グループと芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)治療剤「タグラクソファスプ」の日本における開発および販売に関する独占的ライセンス契約を締結したことを発表した。芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍は、患者数が少ない予後不良の血液がんの一種。
国内では、リンパ腫や急性白血病に準じた治療が行われているが、生存期間中央値が1年程度と短く、新たな治療剤が望まれている。 タグラクソファスプは、」CD123という細胞表面タンパク質を標的とする治療薬で、CD123を発現するがん細胞に対して特異的にタンパク質合成を阻害して死滅させる作用機序をもっている。
CD123は、生体内物質の一つであるインターロイキン-3(IL-3)の受容体で、造血細胞の増殖と分化に関与する細胞表面タンパク質。正常な造血細胞ではCD123の発現が全くないか、わずかに発現しており、BPDCN患者のほとんどの細胞にCD123が過剰発現している。米国では初発および再発・難治のBPDCNを適応症として2019年1月に販売し、欧州では2021年1月に初発のBPDCNで承認を取得している。
日本新薬は、血液がんを注力領域として位置づけ、新たな治療剤の開発および製品の情報提供に取り組んでいる。ライセンス契約の締結にともない、タグラクソファスプの臨床開発を開始し、できるだけ早期に医療現場に提供し、BPDCN患者への治療に貢献したいとしている。
メナリーニ・グループは、70カ国以上に拠点を持ち、欧州、米国、中米、アフリカ、中東、アジア太平洋地域 140カ国以上に展開するグローバル製薬企業。がん領域を注力領域とし、米国で販売品があるほか、がん領域において新規治療薬の開発を行っている。