報告品目・キット製品が薬価収載 国内初のヒュミラBSなど
公開日時 2020/11/26 04:50
新剤形、新規格などの報告品目・新キット製品が11月25日付で薬価収載された。この中には、アッヴィのヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体・ヒュミラ(一般名:アダリムマブ(遺伝子組換え))で国内初のバイオシミラー(BS)となるアダリムマブBS皮下注「FKB」がある。
同BSの製造販売元は、協和キリンと富士フイルムが50%ずつ出資した合弁会社・協和キリン富士フイルムバイオロジクス。販売はマイランEPDが行う。協和キリンによると、同BSの発売日は「非開示」としている。
同BSは3規格あり、薬価は20mg0.4mL1筒が2万540円、40mg0.8mL1筒が3万9849円、40mg0.8mL1キットが3万9849円――となった。基本的には先発品から新薬創出等加算分を差し引いた上で7掛け(0.7倍)して算出された価格となる。なお、先発品ヒュミラの薬価は20mg0.2mL1筒が3万1868円、40mg0.4mL1筒が6万2976円、40mg0.4mL1キットが6万2620円――となっている。
同BSの効能・効果には先発品が持つ潰瘍性大腸炎や化膿性汗腺炎などの一部の効能は含まれない。
■慢性疼痛薬ツートラムは21年1月発売予定 デュピクセントのペン製剤は即日発売
日本臓器製薬の慢性疼痛薬・ツートラム錠(同トラマドール塩酸塩)は、オピオイド作用及びモノアミン再取り込み阻害作用によって鎮痛効果を発揮する非麻薬性鎮痛薬。トラマドール塩酸塩を含有する製品はこれまで1日1回投与製剤や1日4回投与製剤だったが、ツートラム錠はその名の通り、国内初の1日2回投与製剤となる。厚労省の未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。
薬価は50mg1錠61.20円、100mg1錠107.70円、150mg1錠149.90円――となった。日本臓器は本誌取材に、「21年1月中に発売予定」と説明した。
サノフィのアトピー性皮膚炎などに用いるヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体・デュピクセント皮下注300mgペン(同デュピルマブ(遺伝子組換え))も薬価収載され、即日発売した。在宅自己注射時の利便性の向上を期待したオートインジェクター製剤で、薬価は6万6562円となった。既存のシリンジ製剤は6万6356円。
シリンジ製剤、今回追加したオートインジェクター製剤ともに効能・効果や用法・用量に変更はない。現在、▽既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎▽気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)▽鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)――で承認されている。