PMDA 安全性定期報告を紛失
公開日時 2019/02/04 03:50
PMDAは2月1日、企業から提出された安全性定期報告1冊を紛失したと発表した。個人の机の引き出しやロッカー内部を含め、機構内全体で調査を行ったが、現時点では発見に至っていないという。PMDAは、再発防止策を講じ、文書管理の徹底を図るとしている。
安全性定期報告は、新薬の使用成績や副作用などについて行う定期的な報告で、新薬の再審査に活用される。企業から提出された安全性定期報告は、審査業務部で受け付け、担当する部署で確認後、審査業務部の執務室内で保管されている。保管場所は、職員専用のIDカードがなければ入室できず、職員は保管場所に設置した机で内容を確認するルールとなっていた。
紛失は、安全性定期報告を補完する審査業務部が、17年12月に受け付けた安全性定期報告が1年以上経過された後も、審査業務部に返却されていないと気づいたことで発覚。18年12月27日に審査業務部から、該当品目の再審査を担当する新薬審査第4部に所在確認を行ったところ、19年1月7日に紛失が判明した。
PMDAは1月16日に警察署に遺失物届を提出、18日には当該企業への謝罪、経緯説明を行った。紛失した1冊以外の安全性定期報告が保管されていることも1月29日までに確認を行ったという。なお、安全性定期報告には数人の企業担当者の氏名・役職名などの個人情報が含まれていた。
PMDAは引き続き、紛失した安全性定期報告の探索に全力をあげる姿勢を強調。担当役員から全職員への文書の適切な管理を徹底するよう呼びかけたほか、安全性定期報告を執務室内の施錠管理されたロッカーで保管するなどの対策をすでに講じた。今後は、18年3月末までを目途に、PMDA組織基盤プロシーディングプロジェクトとして、文書管理などの取り組み内容を見直し、対応を強化する考え。
PMDAは17年4月、企業の提出した一部の申請電子データが記録された USB メモリ1個を紛失。18年3月にも、医療機器の承認申請書正本及び添付書類を紛失している。