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米FDA 花粉症治療薬Oralairを承認

公開日時 2014/04/09 03:50

米食品医薬品局(FDA)は4月2日、一定のイネ科植物の花粉によって引き起こされるアレルギー性鼻炎(花粉症;結膜炎の発症の有無を問わない)治療薬Oralairを承認した。


Oralairの適応は、10歳から65歳のアレルギー性鼻炎(花粉症)。米国で初の抗原抽出物の免疫療法の舌下錠で1日1回投与錠。患者は、最初の投与を医療機関で服用、服用後少なくとも30分、副作用発現の観察が求められる。投与開始時期は、花粉症の始まる4か月前で、花粉症の時期は投与を続行する。同剤は、ケンタッキーブルーグラス、カモガヤ、ペレニアルライ、ハルガヤおよびオオアワガエリの5種類のイネ科植物の花粉の凍結乾燥した抽出物を含有している。このため、同剤は、5種類の植物の花粉に対して特異的なIgE抗体を持っていることを皮膚パッチ試験もしくはインビトロ試験で確認したのち投与を開始する。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のKaren Mudthun生物製剤評価研究センター長は、「花粉症を治癒する方法はないが、治療薬と花粉への暴露の回避によって管理できる」と述べたうえで、「Oralairの承認は、医療機関で実施できる新たなアレルギー療法を提供することになる。同剤は第1回投与の後は自宅で可能だ」と同剤のメリットを強調した。


Oralairの安全性および有効性は、米国および欧州で約2500例を対象として二重盲検プラセボ対照比較試験で検証された。花粉症の季節に、Oralair投与群では、花粉症の症状および治療の必要性が、プラセボ投与群に比べ、16%から30%減少し、その有効性が示された。


重篤な副作用では、アナフィラキシーなど重症のアレルギー反応が報告されたので、枠組警告に掲載された。主な副作用は、成人では、耳や口腔、舌のかゆみ、口腔の腫脹、咽頭の炎症、また小児では、口腔のかゆみ、腫脹および咽頭の炎症など。同剤の製造は、Stallergenes社(本社:フランス・アントニー)が行う。


Stallergenes社のChristian Chavy CEOは、同剤の承認を喜んでいると述べたうえで、「この承認はわが社にとって大きなマイルストーンである。我々はOralairばかりでなく、アレルゲン免疫療法の未開拓分野をさらに切り開いていきたい」と今後の同社の取り組みへ意欲を示した。


同剤は2008年に欧州で初めて承認され、現在は、欧州主要国ほか、カナダ、オーストラリア、ロシアなど31か国で承認されている。


 

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