協和キリン・18年通期決算 国内医薬8%減収 長期品影響 19年は新薬寄与で増収見込む
公開日時 2019/02/06 03:50
協和発酵キリンは2月5日、2018年12月期通期決算を発表し、国内医薬事業は、協和メデックスが連結対象外になったことに加え、薬価改定や長期収載品の落ち込みの影響が大きく8%の減収だった。19年通期は、新薬が寄与し2%の増収を見込む。
国内医薬の売上は、前年同期より154億円減の1825億円。協和メデックスを連結除外したことによる約100億円のほか、新製品が長期品の減収を吸収できなかったことが響いた。
具体的には18年1月に発売した抗がん剤リツキシマブBS、5月に発売した二次性副甲状腺機能亢進症治療薬オルケディアといった新製品、花粉の飛散が多かったことにより好調だった抗アレルギー薬パタノール、持続型G-CSF製剤ジーラスタ、パーキンソン病治療薬ノウリアスト、乾癬治療薬ドボベット、ルミセフなどが伸長した。しかし、最主力品のネスプの薬価引き下げのほか、長期品の減収をカバーするには至らなかった。高血圧症治療薬コニール、抗アレルギー薬アレロック、潰瘍性大腸炎治療薬アサコール、抗てんかん薬デパケンなどが後発医薬品の浸透で減収となった。
19年通期は、新製品の伸長を見込み、売上高1855億円、2%の増収を予想する。
医薬事業に集中 協和発酵バイオをキリンHDに譲渡へ
協和発酵キリンは同日、連結子会社の協和発酵バイオの株式95%をキリンホールディングス(HD)に譲渡する契約を締結したと発表した。医薬事業へ経営資源を集中させ、グローバル体制の構築に向け、成長基盤を整える。4月24日に実施する予定。
【連結業績(前年同期比) 19年通期予想】(IFRS)
売上高 3465億3100万円(1.9%減) 3050億円(‐)
コア営業利益 586億9400万円(1.7%増) 530億円(‐)
親会社帰属の当期利益 544億1400万円(26.8%増) 680億円(25.0%増)
*通期予想の売上高とコア営業利益は非継続事業を除いた継続事業の金額のため、対前期増減率は記載していない。
【主要製品売上(前年同期実績) 19年通期予想、億円】
ネスプ 537(563)484
レグパラ 133(185)51
オルケディア 24(-)95
ロカルトロール 38(41)36
オングリザ 74(73)76
コニール 48(63)39
ジーラスタ 207(181)228
フェントス 54(60)48
ポテリジオ 18(19)17
リツキシマブBS「KHK」 43(-)84
ロミプレート 32(34)44
アレロック 126(159)93
パタノール 134(128)113
アサコール 29(42)22
ドボベット 59(53)78
ルミセフ 20(10)27
ノウリアスト 94(85)100
デパケン 53(65)43
技術料収入 27(24)44