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メルクセローノとファイザー 抗PD-L1抗体バベンチオ、進行腎細胞がんの効能追加を申請

公開日時 2019/01/31 03:50

メルクセローノとファイザーは1月30日、共同開発している免疫チェックポイント阻害薬バベンチオ(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))について、「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」の適応追加を承認申請したと発表した。申請は同日付け。承認されれば、同疾患に対し、ファイザーのチロシンキナーゼ阻害薬インライタ(同アキシチニブ)と併用して用いることになる。

バベンチオはPD-L1と呼ばれるタンパク質を特異的に阻害するヒト型抗体で、抗PD-L1抗体と呼ばれる。進行腎細胞がんの治療薬として初の抗PD-L1抗体となる見通し。

進行腎細胞がんの治療薬はあるものの、その予後は依然として不良で、遠隔転移した腎細胞がんの5年生存率は約12%とされる。患者の約20~30%が初診時に転移期の腎細胞がんと診断されている。

今回の申請は日本も参加した国際多施設共同・無作為化フェーズ3試験「JAVELIN Renal 101」の結果に基づく。同試験は、未治療の切除不能または転移を有する腎細胞がん患者886例(日本人67例含む)を対象に、アベルマブとアキシチニブの併用投与と、スーテント(同スニチニブリンゴ酸塩)単剤投与の有効性と安全性を比較評価した。

主要評価項目はPD-L1陽性患者集団(発現率1%以上)における無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)――。「重要な副次評価項目」としてPD-L1の発現を問わない全患者集団のPFSおよびOSとした。

中間解析の結果、PD-L1陽性患者集団だけでなく、PD-L1の発現を問わない全患者集団においても統計学的に有意なPFSの延長を示した。全患者集団において、アベルマブとアキシチニブ併用投与群とスニチニブ群のPFS中央値はそれぞれ13.8か月、8.4か月(ハザード比:0.69;片側検定p値=0.0001)だった。OSは、併用投与群で良好な傾向がみられたものの、「イベントが十分に集積されておらず、現在、評価継続中」としている。

安全性は、懸念される新たな知見は認められず、アベルマブ、アキシチニブ、スニチニブの有害事象はいずれも従来の安全性プロファイルと一貫してしたという。

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