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第一三共 iPS細胞由来インスリン産生細胞のオープンイノベーション研究開始 東工大などと

公開日時 2019/01/11 03:50

第一三共、三菱UFJキャピタル、東京工業大学は1月10日、iPS細胞からインスリン産生細胞を作製し、再生医療・細胞治療への活用を目指すオープンイノベーション研究を開始すると発表した。同研究では、iPS細胞由来のインスリン産生細胞の更なる性能の向上と作製法の改良を行い、従来のインスリン治療では血糖コントロールが困難でアンメットメディカルニーズの高い重症1型糖尿病に対する革新的な治療法の実用化につなげる。

同研究を行うため、18年9月に新会社「OiDE BetaRevive(オイデ ベータリバイブ)」を設立。第一三共や中小企業基盤整備機構などが出資し、三菱UFJキャピタルが運営するOiDEファンド投資事業有限責任組合から研究に必要な資金を全額出資する。今回はOiDEファンド出資の第4号案件で、過去3件の投資額は約1億円だった。第一三共広報部によると、今回の投資額は過去3件と「同じような規模」という。

2021年末までの3年間に一定の成果が得られた場合、第一三共はOiDE BetaReviveの全株式を買い取り、第一三共自らのプロジェクトとして研究開発を進める。東工大に対しては販売後のロイヤリティを対価として支払う。

iPS細胞由来インスリン産生細胞が作製可能であることは、16年からの東工大生命理工学院の粂・白木研究室と第一三共との共同研究で見出されていた。同研究室が開発したヒトiPS細胞から膵β細胞(インスリンを分泌する膵臓にある細胞)を高率に作製する方法と、第一三共の技術を融合させることで、生体内の膵β細胞に近いiPS細胞由来インスリン産生細胞が作れることがわかったという。そこで今回、三菱UFJキャピタルからの外部資金も入れて、より広く、オープンに研究していくことにした。

1型糖尿病はインスリンを産生する膵臓のβ細胞が何かしらの原因で破壊されることで発症する。1型糖尿病の治療はインスリン製剤を使用する。ただ、一部の患者では内因性インスリン分泌能が著しく低下しているために十分な血糖コントロールが達成できず、重症低血糖発作を繰り返すことでQOLの低下や生命予後の悪化につながるおそれがある。このような場合、膵島移植が効果的な治療法とされるが、ドナー不足が問題となっており、新たな治療法が望まれている。

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