Meiji Seika 抗パーキンソン病薬サフィナミドを国内申請
公開日時 2018/10/24 03:50
エーザイとMeiji Seikaファルマは10月23日、パーキンソン病治療薬として開発を進めてきたサフィナミドメシル酸塩(一般名、開発コード:ME2125)について、Meijiが日本で同日に承認申請したと発表した。承認取得後の販売及び情報提供・収集活動はエーザイが行う。
今回の申請は、レボドパの効果持続時間が短くなる「ウェアリング・オフ現象」を有する日本人パーキンソン病患者を対象に、レボドパ併用時におけるサフィナミドの有用性をプラセボと比較した二重盲検フェーズ2/3試験(ME2125-3試験)と、長期投与した時の有用性を評価した非盲検フェーズ3試験(ME2125-4試験)などの成績に基づく。
サフィナミドは、選択的なモノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害作用により、分泌されたドパミンの分解を抑制してドパミンの脳内濃度維持を助ける。ナトリウムイオンチャネル阻害作用やグルタミン酸放出抑制作用を有することから、ドパミン作動性作用と非ドパミン作動性作用を併せもつ新たなパーキンソン病治療薬として期待されている。
サフィナミドはイタリアのニューロン・ファーマシューティカルズ社が創製したもの。Meijiは2011年に、ニューロン社から日本とアジアにおける独占的開発・販売権を得ることで合意し、開発を進めた。そして、17年3月にMeijiはエーザイに、日本及びアジアの権利を導出する契約を結んだが、日本についてはMeijiが臨床試験を継続実施した。
MeijiはCNS領域も注力領域のひとつに位置付け、うつ病や統合失調症の新薬を手掛けている。サフィナミドはCNS領域の新薬ではあるものの、パーキンソン病を予定適応とするため、うつ病や統合失調症と情報提供先が若干異なる。このためエーザイの方がサフィナミドの価値最大化が図れると判断し、権利を導出した。