大正製薬HDと富士フイルムHD 業務提携解消へ それぞれの製品をグループ会社で販売
公開日時 2018/10/02 03:52
大正製薬ホールディングス(HD)は10月1日、富士フイルムホールディングス(HD)とその子会社の富山化学との業務提携を解消すると発表した。大正製薬と富山化学の医療用医薬品は、大正製薬HDの販売子会社の大正富山医薬品が販売していたが、業務提携の解消に伴い2019年4月1日以降、それぞれが持つ製品の販売は各々のグループ会社を通じて行うことになる。
大正富山が扱っていた富山化学製品は10製品で、同日に富士フイルムRIファーマを統合して発足した富士フイルム子会社「富士フイルム富山化学」が販売を行う。大正製薬は約23製品で、同社が販売する。大正富山医薬品は19年4月に「大正ファーマ」に名称を変更し、MRが所属し、大正製薬の医療用薬の情報提供・収集活動を専門に行う販促子会社となる。
それぞれMR数を開示しておらず、富士フイルム富山化学では、新規採用を検討しつつ営業体制を整えるとしている。なお、富山化学と大鵬薬品が共同開発した抗生物質ゾシン配合点滴静注用は、販売会社が製造販売元の大鵬薬品に変更となり、19年4月から大鵬が販売する。
大正富山の17年度売上高は913億円。業務提携解消後の富士フイルム富山化学、大正製薬の医療用薬売上は非開示。大正ファーマの設立理由のほか、4月以降の役員を含む経営・事業体制も開示してない。富士フイルム富山化学は、富士フイルムの100%出資で資本金は4.9億円、医薬品、医療機器の研究開発、製造、販売、輸出入を事業とし、代表取締役社長は、富山化学の岡田淳二氏が務める。
大正製薬HDは7月、富山化学が45%を保有する大正富山医薬品の全株式を買い取り、大正富山医薬品を完全子会社化。併せて、大正製薬HDが34%を保有する富山化学の全株式を富士フイルムHDに売却していたが、大正富山が富山化学製品の販売する業務提携は、安定供給の観点から続けていた。