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厚労省 抗インフルエンザ薬タミフルの10代への投与認める 他の薬剤でも異常行動注意を

公開日時 2018/08/22 03:50

厚労省医薬・生活衛生局は8月21日、抗インフルエンザ薬タミフルについて、異常行動が現れることがあるため10代の患者への使用を差し控えるとする添付文書の記述を警告欄から削除するなどの添付文書の改訂を、日本製薬団体連合会に通知で指示した。この中ではタミフルほか他の抗インフルエンザ剤について、発熱から2日間は異常行動が起きうるため転落等の事故に対する防止対策を講じるよう家族らに説明することも盛り込む。タミフルの10代への原則投与禁止は2007年から続けられてきたが、今回、投与を認めることになった。

同省はタミフルだけで異常行動が起こるとはいえないと判断した。しかし、これまでの研究報告や集計から他の抗インフルエンザウイルス薬を含め「処方の有無、種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には異常行動を発現する可能性があることが示唆された」として、他の抗インフルエンザ薬も異常行動を「重大な副作用」と位置付けるとともに、「重要な基本的注意」の項で、薬剤の服用の有無にかかわらず異常行動が現れることがあり、特に就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多く、発熱から2日間以内の発現が多いことを明記し、患者・保護者に対策を講ずることを含めて説明することを求めた。

薬食審・医薬品等安全対策部会安全対策調査会の報告書によると、ナショナルデータベース(NDB)を用いた2009年~16年までの処方患者100万人あたりの報告例数は、10代においては服用なしで8.0に対し、薬剤服用ありで4.4。その中でタミフルは6.5、リレンザ4.8、ラピアクタ36.5、イナビル3.7と、タミフルだけで異常行動が起こっているとはいえず、服用していない患者でも起きていた。

改訂指示のあった製品は次のとおり(カッコ内は成分名、先発製造販売企業名)

タミフルカプセル、ドライシロップ(オセルタミビルリン酸塩、中外製薬)
シンメトレル錠、細粒(アマンタジン塩酸塩、サンファーマ)
リレンザ(吸入薬)(ザナミビル水和物、グラクソ・スミスクライン)
イナビル吸入粉末剤(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物、第一三共)
ゾフルーザ錠(バロキサビルマルボキシル、塩野義製薬)
アビガン錠(ファビピラビル、富山化学)
ラビアクタ点滴静注液(ペラミビル水和物、塩野義製薬)
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