エムスリー ソフトバンク系と医療AI分野の事業化支援
公開日時 2018/07/23 03:50
エムスリーと、ソフトバンクグループ子会社で特にディープラーニング分野の若手起業家を育成しているディープコアは7月20日、医療系AI(人工知能)分野の事業化支援プログラムを開始すると発表した。臨床での革新的なAI活用事例を生み出すため、医師とAI技術者をマッチングするイベントを共同開催する。事業化に至った場合は両社による資金提供なども検討する。
多くの分野でAIの活用が進んでいる。ただ、医療分野ではAI技術者と医療現場の医師との人的交流が少なく、実際の現場でのAI活用が進みにくいといった課題がある。両社それぞれの強みを生かして、まずはこの課題解決に取り組む。
両社は、「医療知識や現場の課題を解決するアイディアを持つ医師と、それを実現するAI技術や知見を持つディープコアのインキュベーション施設『KERNEL』メンバーが連携することで、革新的なソリューション開発が期待できる」としている。
ディープコアは、技術で世界を変える志を持つ挑戦者を起業家として育成する、 AI特化型インキュベーター。ソフトバンクグループが100%出資している。インキュベーション施設「KERNEL」には若手AI技術者や研究者、応用分野人材など約80人がメンバーとして在籍している。
エムスリーは26万人以上の医師会員に医学関連情報を配信し、製薬業界を中心にマーケティング支援サービスや治験支援サービスなどを提供している。17年4月に「エムスリーAIラボ」を立ち上げ、画像診断を含めたAI医療機器の開発支援など先端医療分野での事業拡大を推進している。AI研究開発時の学習データとなる医療情報を国内26万人、全世界400万人の医師会員・医療機関から広範囲に収集し、複数医師によるチェックを経た教師データの作成支援なども行う。