武田薬品 エンタイビオ点滴静注、中等症から重症のクローン病の適応追加申請
公開日時 2018/07/19 03:50
武田薬品は7月18日、潰瘍性大腸炎治療薬エンタイビオ点滴静注用(一般名:ベドリズマブ)について、中等症から重症の活動期クローン病の効能追加を申請したと発表した。申請は同日付け。同剤は7月2日に中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法の治療薬として承認された。現在、薬価収載手続きの段階で、発売準備中となっている。
同剤は欧米で、標準療法または抗TNFα抗体による治療に対し効果不十分、効果減弱がみられた、もしくは不耐性である中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎及びクローン病の治療薬として承認されている。同社広報部によると、日本も欧米のように、標準治療または抗TNFα抗体による治療で効果不十分などの場合の治療選択肢になるという。
同剤はヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体。炎症を起こしている腸管組織に炎症性細胞の一種であるTリンパ球の遊走を阻害することで、炎症を軽減するようデザインされている。
クローン病の国内患者数は4万人以上とされる。もっとも代表的な炎症性腸疾患のひとつで、再燃と寛解を繰り返す慢性の炎症が小腸や大腸を中心とした消化管のあらゆる部位に非連続的に認められる。よくみられる症状は下痢、腹痛、発熱、体重減少、栄養障害――。クローン病の原因は明らかになっていないが、最近の研究では遺伝素因や環境要因に加え、腸内細菌抗原に対する異常な免疫応答といった様々な因子が関与する多因子疾患と考えられている。