J-TEC 培養表皮ジェイスの適応追加申請 指定難病の「表皮水疱症」で
公開日時 2018/03/23 03:50
富士フイルムグループのジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は3月22日、再生医療等製品で自家培養表皮のジェイス(一般名:ヒト(自己)表皮由来細胞シート)の適応に、日常生活のちょっとした刺激や摩擦で全身の皮膚や粘膜に水ぶくれやただれを繰り返し、潰瘍が発生する皮膚疾患で、指定難病の「表皮水疱症」を追加する承認申請を行ったと発表した。
ジェイスは、患者本人の皮膚組織を培養した製品で、再発性や難治性のびらんや潰瘍となった部分に移植し、症状を改善する。厚労省は、表皮水疱症の治療目的としてこの製品を希少疾病用再生医療等製品に指定していることから、優先的に承認審査を行い、早ければ年内にも承認が見込める。
表皮水疱症は、皮膚を十分につなぎとめるタンパク質の欠損で起こる遺伝性の皮膚疾患で、国内の推定患者数は500人以上、うち重症者は320人程度という。16 年に北海道大学病院にて実施された医師主導治験の結果も踏まえて承認申請したとしている。
同社はジェイスについて、2007 年に重症熱傷の適応で最初の承認を取得し、16 年には、生まれつき黒褐色のあざが広範囲にみられ、皮膚がんになるおそれがある先天性巨大色素性母斑を適応に追加する承認を得ている。