18年度診療報酬改定 本体0.5%上回るプラス改定で最終調整へ
公開日時 2017/12/11 03:51
2018年度薬価・診療報酬改定の改定率をめぐる議論が大詰めを迎えている。薬価乖離率が約9.1%となったことで、社会保障費の自然増圧縮分1300億円の財源確保に一定のめどが立ち、いよいよ診療報酬本体の改定率に焦点が移ってきた。政府・与党間の最終調整が今週中に行われる見通し。現在までのところ、本体の改定率は前回16年度の改定率0.49%を上回る0.5%以上の引き上げで調整が推移する見通し。本体引き上げの追加財源として、新薬創出等加算品の絞り込みや市場拡大再算定に加えて、透析やチェーン薬局の適正化などで捻出する考えも浮上している。
◎透析の適正化などで追加財源確保へ
診療報酬改定の改定率をめぐっては、財務省がマイナス改定の断行を打ち出しているものの、与党内からは前回改定を上回る「本体引き上げ論」が強まっており、今週中の政府・与党内調整を経て決着する見通し。
薬価関連では、市場実勢価格との薬価乖離率が約9.1%に決まったことから、国費ベースで約1300億円を捻出できる。そのほか、市場拡大再算定や特例拡大再算定で費用を捻出。対象品目としては、脂質異常症治療薬・クレストール、中枢神経用薬・サインバルタなどの名前があがっている。前回16年度改定では、C型肝炎治療薬ハーボニーなどの特例拡大再算定などにより国費ベースで500億円の財源を確保した。しかし、今回の18年度改定ではその規模に遠く及ばない見通しだ。
一方、診療報酬の財源としては、高額療養費制度の見直しで50~100億円の財源を確保する。このほか、いわゆる“外枠”での改定財源としては、新薬創出・適応外薬解消等促進加算品の絞り込みなど薬価制度改革分、特例拡大再算定・市場拡大再算定、大型門前・チェーン薬局の適正化、透析など腎代替療法の適正化などで追加財源を確保する案が浮上している。