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薬食審・第二部会 新薬5製品を審議、承認了承 AZのPARP阻害薬リムパーザ錠など

公開日時 2017/11/27 03:52

厚労省の薬食審・医薬品第二部会は11月24日、新薬5製品の承認可否を審議し、いずれも承認を了承した。この中には、アストラゼネカが承認申請した新規経口分子標的薬のPARP阻害薬リムパーザ錠(一般名:オラパリブ)があり、プラチナ製剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法の効能・効果での承認が了承された。

【審議品目とその内容】(カッコ内は一般名と申請企業名)

タシグナカプセル50mg、同カプセル150mg、同カプセル200mg(ニロチニブ塩酸塩水和物、ノバルティスファーマ):「慢性期又は移行期の慢性骨髄性白血病」を効能・効果とする新用量医薬品。小児用量の追加となる。再審査期間は4年。50mgのみ迅速審査。

慢性骨髄性白血病(CML)の標準治療はチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による治療だが、国内で承認されているTKIはいずれも小児のCMLに対する適応がなかったため、開発した。現時点でも小児CMLの適応を持つTKIはない。

国内の18歳未満のCMLの発生頻度は年間約20人と推定されている。海外では17年11月に欧州で承認された。

ベスポンサ点滴静注用1mg(イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)、ファイザー):「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は10年。希少疾病用医薬品。

抗体薬物複合体(ADC)。B細胞性急性リンパ性白血病のがん細胞の表面に発現するCD22抗原を標的とする薬剤で、同抗原に結合し、細胞傷害性を有するオゾガマイシンが細胞を破壊するとされる。

急性リンパ性白血病の患者数は5000例と報告されており、再発・難治性の患者数はさらに限定される。海外では17年8月時点で、急性リンパ性白血病に係る効能・効果で、欧米を含む5つの国・地域で承認済。

リムパーザ錠100mg、同錠150mg(オラパリブ、アストラゼネカ):「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

ファーストインクラスのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬。DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導するとされる。

同剤の対象患者について、添付文書の中で、「白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法の投与終了後から再発までの期間が6か月以上であり、かつ直近の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法による奏功が継続している再発卵巣がんに対する治療選択肢のひとつ」との旨を記載する。海外では、17年8月時点で、卵巣がんに関する効能・効果で55の国・地域で承認済。

ファセンラ皮下注30mgシリンジ(ベンラリズマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤。増加により喘息症状の悪化に影響する好酸球の表面に発現するインターロイキン-5(IL-5)受容体に作用すると共に、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を高めることで、IL-5受容体を発現している好酸球を除去し症状を抑えるとされる。海外では、米国で17年11月に承認済。

サチュロ錠100mg(ベダキリンフマル酸塩、ヤンセンファーマ):「多剤耐性肺結核」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。

ジアリルキノリン系の新規抗結核薬で、既存薬とは異なる作用機序をもつ。結核菌のエネルギー生成に必須のアデノシン5-三リン酸合成酵素を特異的に阻害し、増殖期及び休眠期の結核菌のいずれに対しても抗菌活性を示すとされる。海外では17年3月時点で、欧米など47の国または地域で承認済。

MSDのキイトルーダ 「尿路上皮がん」承認へ 抗PD-1抗体では初の適応

【報告品目とその内容】(カッコ内は一般名と申請企業名)

報告品目は、PMDAの審査段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断されたもの。
 
キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD):「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」を効能・効果に追加する新効能医薬品。優先審査。再審査期間は残余(2022年10月18日まで)。
 
がん免疫療法薬で、ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体(抗PD-1抗体)。T細胞に主に発現する受容体であるPD-1に結合して、腫瘍細胞に発現するリガンドPD-L1との結合を阻害することによって、抗腫瘍免疫応答の阻害を解除する。尿路上皮がんの適応は、正式承認されれば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体のいずれでも初となる。海外では2017年7月時点で、5の国または地域で承認済。
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