アルフレッサHD 医療経営士400~500人の取得目指す 地域包括ケア推進支援で
公開日時 2017/05/16 03:51
アルフレッサホールディングス(HD)の久保泰三社長は5月15日、東京都内の本社で行った記者会見で、地域包括ケアの推進を支援する取り組みの一環として「医療経営士」の資格取得を推進することを明らかにした。現在資格取得者は約100人いるが、2018年度までの中期経営計画中に400人~500人程度に増やす方針。支店長や課長、ベテランMSなどの取得を想定する。地域包括ケアのキーマンと経営や意思決定の考え方や専門用語を共有することで、効果的な支援につなげたい考え。
また、同社長は16年度に、地域包括ケア、地域医療構想の推進を受けた営業改革の先行テストを、全国9地区で行ったことも明らかにした。MSの生産性向上と地域包括ケアにおける商機拡大が狙い。地域ごと、顧客ごとに売上などを分析し、MS配置の見直しなどを試みた。地域包括ケア対応では、今まで十分見ることができなかった在宅医療や介護までの患者、薬剤等の流れを、在宅医や訪問看護師、ケアマネ等への訪問することで把握を進めた。今後、効果を検証し、地域を拡大して展開する。
同社長は、地域包括ケア対応の取り組みについて、在宅までの患者や薬剤の流れの把握が進むことで「プラスアルファの医療関連商品の販売チャンスが見えてきている。収益と利益がどれだけ大きくなるのかは、まだまだ未知数だが、まずは医療用医薬品を見える形にし、(実績を)上げていくのが今の目的だ」と説明した。
地域包括ケアをにらんだ営業改革は、中計の柱の一つ。地域包括ケアは、個々の医療施設だけでなく、各施設の連携に加え、対応が手薄な訪問看護ステーション、介護施設、自治体などを含む形で構築されることから、「Solution MS」を新たに配置し、支援を強化。日頃のMS活動で蓄積した地域情報などで医療と介護の連携支援などに活かしていくほか、地域の接点を拡大することで商機の発掘を目指す。