医療用医薬品8製品が3月24日、新たな効能などを追加する承認を取得した。承認された医薬品は次のとおり(カッコ内は一般名と申請企業名)。
▽ソバルディ錠400mg(ソホスブビル、ギリアド・サイエンシズ):「セログループ1(ジェノタイプ1)またはセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しないC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果に追加。再審査期間は残余(2023年3月25日まで)。
これまでにジェノタイプ2に対する効能・効果が承認されており、12週投与で用いる。今回の追加効能は、ジェノタイプ3~6にも使えるようにするもので、24週投与で用いる。今回の追加効能も、リバビリン製剤のレベトールカプセル200mgもしくはコペガス錠200mgと併用する。
日本のC型肝炎ウイルスジェノタイプ3の感染患者は約2800人、ジェノタイプ4~6は極めて少数とされる。ジェノタイプ3に対して日本エイズ学会、日本肝臓学会などから開発要望があり、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での評価を受け、開発要請された経緯がある。
▽レベトールカプセル200mg(リバビリン、MSD)
▽コぺガス錠200mg(リバビリン、中外製薬)
:「セログループ1(ジェノタイプ1)またはセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しないC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果に追加。再審査期間はソバルディ錠400mgの残余(2023年3月25日まで)。同適応を追加するソバルディ錠と併用するリバビリン製剤。
▽ゾレア皮下注用75mg、同150mg(オマリズマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ):「特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)」を効能・効果に追加。再審査期間4年。
慢性蕁麻疹は、発症後1カ月以上を経過したものとされる。標準薬に位置付けられる第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬が推奨されているが、同薬で治療を受けている患者の約半数は十分な症状の改善が得られていないとの報告があるという。そのため有効な治療薬が望まれていた。。
効果不十分な場合は、適応外使用としてヒスタミンH2受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬が併用されるほか、重症例には副腎皮質ステロイド経口薬の短期的使用や免疫抑制剤が使用されている。しかし、いずれの薬剤についても臨床効果の科学的エビデンスが不十分であり、副腎皮質ステロイド経口薬(重症例の承認はあるが、慢性例は除外)は副作用の懸念があることから、同剤が開発された。
同剤は、血中や皮膚内の遊離IgEに結合し、肥満細胞(マスト細胞)および白血球の一種である好塩基球といった症状に関与する因子の活性化を抑え、そう痒・膨疹といった症状を抑制すると考えられている。
▽オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」を効能・効果に追加。再審査期間は残余(2021年10月16日まで)。
▽タミフルドライシロップ3%(オセルタミビルリン酸塩、中外製薬):「A型またはB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防」を効能・効果とし、新生児、乳児の用法・用量を追加。なお、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で、追加する適応について公知申請が妥当とされ、薬食審医薬品第二部会での事前評価が済んだ時点で保険適用となっている。
▽ベリナートP静注用500(乾燥濃縮人C1-インアクチベーター、CSLベーリング):「侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を効能・効果に追加。なお、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で、追加する適応について公知申請が妥当とされ、薬食審医薬品第二部会での事前評価が済んだ時点で保険適用となっている。
▽ノベルジンカプセル25mg、同カプセル50mg、同錠25mg、同錠50mg(酢酸亜鉛水和物、ノーベルファーマ):「低亜鉛血症」を効能・効果に追加。再審査期間5年10カ月。
低亜鉛血症の適応を持つ既存薬は日本にはない。あすか製薬とメディパルホールディングスと共同販促。カプセル剤は経過措置品目で既に2016年12月末で特約店への出荷を終了、17年3月31日で経過措置期間満了となる。