製薬協・伍藤理事長 会員資格停止のノバルティス 復帰に向け「決める時期に来ている」
公開日時 2017/03/24 03:50
日本製薬工業協会(製薬協)の伍藤忠春理事長は3月23日、総会後の会見で、ARB・ディオバンの臨床研究不正以降、会員資格停止処分となっているノバルティスファーマについて「(会員復帰など)方法を決めないといけない時期に来ている」と述べた。同社の臨床研究不正をめぐる判決はまだ確定していないものの、東京地裁が3月16日、無罪判決を下している。
ノバルティスはディオバンの臨床研究不正が発覚した2013年に以降、会員資格停止となった。その後、副作用報告の遅延や、MRの臨床研究への不適切なかかわりなど、複数の問題が起きたこともあり、現在まで4年間にわたり、会員資格停止となっている。なお、会員資格停止は、除名に次ぎ、5段階の処分のうち、2番目に重い処分となる。
伍藤理事長は、ディオバン問題では通常と異なり、行政や司法などの判断を待たずに業界が先んじて処分を下し、臨床研究の適正化や透明性確保に向けた改善を促してきたと説明。「その重要性を鑑みて、かなり異例の形だが、かなり早い段階から最も重い処分を下した」と述べた。その上で、「個人的にはかなり時間が経ったと感じている」と述べ、会員復帰も含めて検討するタイミングに入ったとの考えを示した。
ただ、会員復帰にあたって、一定のステップを経る必要性も指摘。同社がコンプライアンスや透明性確保に向けた社員教育の徹底などを再確認した上で、処分審査会で審議し認められることが必要と見通した。
◎副作用遅延のセルジーンに厳重注意
製薬協はこの日、副作用報告遅延のあったセルジーンに対して厳重注意の処分を下した。5段階ある処分のうち、最も軽いものとなる。同社は、レブラミドカプセルなど血液がん領域3製品の海外副作用症例4573例を定められた期限内に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告しなかったとして、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づいた業務改善命令を受けていた。