厚労省 セルジーンに業務改善命令 海外副作用4573例の報告遅延で 全て死亡例
公開日時 2017/03/15 03:51
厚生労働省は3月14日、レブラミドカプセルなど血液がん領域3製品の海外副作用症例4573例を定められた期限内に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告しなかったとして、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき、製造販売元のセルジーンに業務改善命令を出したと発表した。全症例とも海外での死因が特定されていない死亡症例で、セルジーンは「死因が特定されていない死亡症例を誤って報告不要と判断した」としている。
セルジーンは1か月以内に是正措置や再発防止策の改善計画を策定し、厚労省に提出する。
報告遅延症例の内訳は、レブラミドカプセル4477例、ポマリストカプセル92例、レナデックス錠12例――。同一症例に複数の製品が含まれている場合がある。これらは2010年6月~16年1月に起こったもので、報告遅延期間は最長約6年となる。
他社から転職した医薬品安全性情報に関する評価責任者が15年12月に報告義務に気づいた。会社として違反事実を認識したものの、結果としてPMDAへの第一報が16年9月となり、気づいてから報告まで約9か月かかった。この点について厚労省は、「第一報を行うまでに相当の時間を要した」と指摘し、今回の行政処分の理由に挙げている。
海外死亡例については、薬剤との因果関係が否定できるものは報告しなくていいが、これ以外の死亡例は全てPMDAに報告しなければならない。厚労省は、「今回の報告遅延症例の内容を受けて、直ちに添付文書の改訂や製品の回収など追加の安全対策を講じる必要はなかった」としている。