第一三共 AG事業を強化 オルメテック、ミカルディス、クレストール各AGの承認取得
公開日時 2017/02/16 03:52
第一三共は2月15日、ジェネリック事業を展開する子会社の第一三共エスファが日本でオーソライズド・ジェネリック(以下、AG)事業を強化すると発表した。同社は、「今後、市場ニーズの高まりとともに、AGがジェネリックのスタンダードになる」と判断した。第一三共製品だけではなく、他社製品のAGも扱う。
この日、新たなジェネリックが承認されたが、第一三共エスファはAGとして、第一三共が扱う降圧剤オルメテックOD錠、日本ベーリンガーインゲルハイム(NBI)が製造販売元の降圧剤ミカルディス及び配合錠、アストラゼネカ(AZ)が製造販売元の高脂血症治療薬クレストール――など7成分21規格のAGの承認を取得した。
第一三共広報部は本誌取材に、第一三共エスファが2016年2月に、NBIおよびAZとの間で、AGに関する契約をそれぞれ締結していたことを明らかにした。対価などの経済条件は開示していない。
AGは先発品と基本的に原薬、添加物、製法、製造所が同一のジェネリックを指す。同社はAGについて、「先発品が医療現場で蓄積してきた信頼を資産として引き継ぎ、患者さんや医療現場に貢献できるジェネリック医薬品と考えている」とコメント。さらに、「自社グループに限らず、他社との協業も含めAG製品の拡充・浸透を図っていく」とし、他社製品のAGを手掛けていく方針。
■AG先行発売かどうかは明言せず
第一三共エスファがこの日に承認を取得したAGは、第一三共製品ではオルメテックの通常錠、同OD錠、オルメテックとカルブロックとの降圧配合剤レザルタス、ニューキノロン系抗菌薬グレースビット――となる。
各製品の発売予定日については、オルメテックは「薬価収載及び発売の準備を進める予定」(第一三共広報部)とのみ回答した。オルメテックの通常のジェネリックは12月の薬価収載・発売開始が見込まれている。第一三共エスファが競争優位に立つために、オルメテックAGは6月の薬価収載、9月までの発売との可能性が高そうだ。レザルタスとグレースビットのAGについては、現時点では未定としている。
なお、オルメテックは高齢社会でのニーズを踏まえてOD錠への切り替えを進めており、通常錠は17年3月末で発売中止となる(経過措置により、18年3月までは保険請求可能)。このためオルメテックAGはOD錠のみとなる可能性が高い。
■クレストールAG 先発にあるOD錠は含まず
この日に承認を取得した他社製品のAGは、▽ミカルディス錠▽ミカルディスとアムロジピンとの降圧配合剤ミカムロのAPとBP▽ミカルディスとヒドロクロロチアジドとの降圧配合剤ミコンビのAPとBP▽クレストール錠――となる。クレストールは先発品にOD錠をラインナップしているが、AGではOD錠の承認を取得していない。
発売予定日については、クレストールはオルメテックと同じく、「薬価収載および発売の準備を進める予定」としている。12月に通常のジェネリックが登場すると見る向きがあり、AGを先行発売するかどうか、第一三共エスファの今後の戦略が注目される。ミカルディスファミリーは6月の発売を予定している。
【おことわり】
下線部を追記しました。(17年2月16日7時30分)