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EMA 結核治療薬開発ガイダンス改訂へ 臨床試験中のバイオマーカーの役割など追記

公開日時 2016/08/05 03:50

欧州医薬品庁(EMA)は、多剤耐性菌結核の蔓延など結核治療薬をめぐる環境が変化しつつある現状を踏まえ、結核治療薬開発ガイダンスの改定を決めた。8月1日に改訂案を公表するとともに、パブリックコメントの募集を開始した。

ガイダンス案では、新規結核治療薬および配合剤の承認を裏付けるデータに関するEU規制の要件を明確にした。具体的には、▽近年承認された薬剤の観点から個々の新規薬剤やレジメンにおける有効性の評価、▽臨床開発中における薬剤の有効性を予測するバイオマーカーの役割-などが追加される。ガイダンスはEMAの感染症治療薬評価ガイダンスの補遺となっている。パブリックコメントは2017年1月31日に締め切られる。EMAは、今年11月に関係者の意見を聞くためにワークショップを開催する予定。


世界的には、結核罹患者は徐々に減少しているとはいえ、毎年150万人が結核で死亡している。欧州では、2014年に東欧・中欧を中心に新規に34万人が結核と診断され、3万3000人が結核で死亡しており、その脅威は衰えていない。

さらに近年では、第一選択薬であるリファンピシンやイソニジアドに無効な多剤耐性菌結核が公衆衛生上の大きな課題となっている。多剤耐性菌結核は特に移民労働者、難民、薬物乱用者などが罹患しやすく、移民などが多い欧州では問題となっている。

多剤耐性菌結核は既存薬が無効なために患者、家族ばかりでなく医療制度自体にも大きな負担となる。従来の治療薬服用が長期にわたるなど利便性に欠き、かつ耐性を生んでいることから、服薬が容易で服薬期間が短く薬剤耐性を克服する薬剤の開発が待たれている。

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