米FDA 高尿酸血症治療薬Zurampicを承認
公開日時 2016/01/07 03:50
米食品医薬品局(FDA)は12月22日、高尿酸血症治療薬Zurampic(lesinurad)を承認した。適応は、痛風に伴う高尿酸血症。同剤は、腎臓の近位尿細管の尿酸輸送体であるURAT(尿酸輸送体)1の働きを阻害して、尿酸の再吸収を抑制する。体内の尿酸値の産生を減少させる薬剤(尿酸生成抑制薬)であるアロプリノール、フブキソスタットなどキサンチンオキシダーゼ阻害剤(XOI)との併用下で用いる。
同剤の安全性および有効性は、高尿酸血症患者1537例を対象に3本の無作為化二重盲検試験でXOIを併用し検証された。観察期間は最長12カ月。同剤とXOI併用群ではプラセボ群に比べ、血清尿酸値が減少した。臨床試験中の主な副作用は、頭痛、血中クレアチニン上昇、逆流性食道炎など。
同剤のラベルには、XOIを併用しない場合やZurampicの承認用量以上服用の場合に多く発現する急性腎不全のリスクについて重要な安全性情報として医療関係者向きに枠組み警告が記載された。さらに、FDAは、Zurampicの腎および心血管系についての安全性をさらに評価するために市販後研究実施を求めた。
同剤は、英・アストラゼネカ社の米法人AstraZeneca Pharmaceuticals LP社(本社:デラウェア州ウィルミントン)が製造する。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のBadrul Chowdhury呼吸器・アレルギー・リウマチ製品部長は、「高尿酸血症を管理することは痛風の長期にわたる治療にとって重要である」とした。その上で、「Zurampicは、生涯のうちに痛風を発症させる数百万人の患者に対して新たな治療選択肢を提供する」と同剤の登場を歓迎した。
痛風は体内で尿酸が過剰に蓄積されることによって引き起こされる、痛みを伴う関節炎。