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医師のネット利用 1日平均2.9時間 メールやWebサイト閲覧 ネットセミナーには課題も

公開日時 2014/05/16 03:51

市場調査会社の社会情報サービスはこのほど、医師の各種メディアへのアクセス状況を分析した調査レポートをまとめ、医師の平日1日あたりのインターネット利用時間が平均2.9時間と過去最高だったことがわかった。同調査は郵送方式で実施しており、インターネット利用者を対象にしたインターネット調査に比べて、その利用状況をより正確に把握できる特徴がある。同調査は約2年ごとに実施しており、1日あたりのネット利用時間は前々回09年調査、前回11年調査ではそれぞれ平均2.6時間だった。

 
調査レポート名は「医師のメディア調査 S-DMR  2014年版」。調査対象は同社パネル登録医師で、有効回答数は1570人(HP950人、GP620人)。調査時期は14年2月17日~3月14日。

調査では、パソコンを用いたメールやWebサイトの閲覧といったネット利用状況を聞いた。ネット利用率は調査医師全体の95%で、内訳はHP98%、GP91%だった。同社によると、ネット利用率も「増加傾向にある」という。

ネット利用時間帯は21時台がピークで医師の35%が利用し、前回調査から5ポイント程度上昇した。次いで利用率の高い時間帯は22時台、12時台となる。HP、GP別での違いも見られ、HPは16時台~21時台での利用割合も比較的高い一方、GPは12時台~15時台の割合も高い。診療時間帯が関係しているものとみられる。同社はネット利用時間帯がHPやGP別、診療科別でも異なることから、「その点を考慮したメディア戦略の策定が必要」と指摘している。

なお、職場では医療系サイトの閲覧、自宅では一般的なWebサイトの閲覧が多く、コンテンツは職場では主に医療系ニュースや疾患情報にアクセスしていることが多いという。

◎医師の7割がネットセミナーを経験 「生の方が集中できる」との声も

製薬メーカーが主催するネットを介してのセミナーや講演会(以下、ネットセミナー)に対する考えも聞いた。ネットセミナーに1回でも参加した経験のある医師は全体の約7割だった。「有用性の高いと思うセミナーや講演会」として、▽ネットを介したセミナーや講演会▽実際の(生の)セミナーや講演会▽どちらともいえない――の3択で聞いたところ、無回答を除く医師993人の結果では、生のセミナーを好む医師が、ネットを好む医師の5倍近く多かった。

その理由を調査では直接聞いていないが、ネットセミナーのデメリットを10項目の選択方式で聞いたところ、「生の方が集中できる」「直接質問できない」「見づらい」「他の医師とコミュニケーションできない」が上位だった。同社は「医師のニーズに対応したネットセミナーを展開していくことが、(ネットセミナーの)今後の更なる普及に影響すると考えられる」と分析している。ネットセミナーの機能の充実は難しくないと思われるが、生のセミナーのような雰囲気づくりが差別化のポイントになるかもしれない。
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