ノバルティス13年通期業績 グループ全体売上で第2位 特許切れ品の大幅減収を他製品でカバー
公開日時 2014/02/04 03:50
ノバルティスは1月29日、2013年通期業績が売上高は579億2000万ドル(前期比2%増)、営業利益109億1000万ドル(同3%減)、純利益92億9200万ドル(同1%減)の増収減益になったと発表した。2013年通期は新薬を中心とする医療用医薬品事業が、アメリカ、カナダ、ヨーロッパで特許が失効し、日本国内では利益相反問題があった高血圧治療薬・ディオバン、特許が失効した悪性腫瘍骨転移治療薬・ゾメタの大幅減収もあったが、他製品の売上伸長により前年比でほぼ横ばい。その他のアイケアのアルコン事業の増収やジェネリック事業のサンドがアメリカ以外で二桁増収と好調だったことなどで全体として増収を確保した格好だ。
今回、同社はメガファーマ各社のグループ全体売上規模では「リピトールショック」を引きずるファイザーも抜き、第2位となった(1位はジョンソン&ジョンソン)。ただ、ワクチンやジェネリックも含む医療用医薬品事業の売上高は、ファイザーが477億7800万ドルに対し、ノバルティスは医療用医薬品事業、アルコン事業の眼科向け医療用医薬品分とサンド事業、同社方針により内訳非公表のワクチン・診断薬事業の全額を医療用医薬品の売上高と見て合算しても474億6800万ドルで、まだファイザーが上回っている。今後もディオバン減収の影響が続くと見られ、2014年通期業績で医療用医薬品の売上高で同社が世界トップになるかは微妙な情勢だ。
なお、研究開発費は前期比6%増の98億5200万ドル。1株当たりの純利益は3ドル76セント(同2%減)。2012年の配当金は1株当たり2.45スイスフランの提案を予定している。
グループ全体の地域別売上高はヨーロッパ210億7800万ドル(同7%増)、アメリカ189億2400万ドル(同2%増)、アジア/アフリカ/オーストラリア125億8500万ドル(同3%減)、カナダ・ラテンアメリカ53億3300万ドル(同2%減)。
◎医療用薬は前年比0.2%増 ディオバン/コディオは20%減
セグメント別の売上高は医療用医薬品事業部門322億1400万ドル(同0.2%増)、アルコン事業部門104億9600万ドル(同3%増)、サンド91億5900万ドル(同5%増)、ワクチン・診断関連事業部門19億8700万ドル(同7%増)、コンシューマーヘルス40億6400万ドル(同9%増)。
主要な医療用医薬品の売上高は慢性骨髄性白血病治療薬・グリベック46億9300万ドル(同0.4%増)、高血圧症治療薬・ディオバン/コディオ35億2400万ドル(同20%減)、加齢黄斑変性治療薬・ルセンティス23億8300万ドル(同1%減)、多発性硬化症治療薬・ジレニア19億3400万ドル(同62%増)、先端巨大症/神経内分泌腫瘍治療薬・サンドスタチン15億8900万ドル(同5%増)、高血圧症治療薬・エックスフォージ14億5600万ドル(同8%増)、がん分子標的治療薬(mTOR阻害薬)・アフィニトール13億900万ドル(同64%増)、慢性骨髄性白血病治療薬・タシグナ12億6600万ドル(同27%増)、経口糖尿病治療薬(DPP-4阻害薬)・ガルバス/エクア12億ドル(同32%増)、アルツハイマー型認知症治療薬・イクセロン/イクセロンパッチ10億3200万ドル(同3%減)。2013年通期では、アフィニトール、ガルバス/エクア、タシグナが新たにブロックバスタ入りした一方、ゾメタは前期比53%減の6億ドルでブロックバスター圏外となった。