大塚製薬 減酒薬ナルメフェンをルンドベックと共同開発 国内P3を14年に開始
公開日時 2013/11/06 03:51
大塚製薬はこのほど、デンマークのルンドベック社が創製した飲酒量を減量させるという新しい概念の治療薬(=減酒薬)であるナルメフェン(nalmefene)について、日本で共同開発・商業化する契約を締結したと発表した。欧州ではすでに発売されているが、国内では海外データを活用して14年からフェーズ3試験を両社共同で開始する予定。アルコール依存症における減酒薬として開発していく。
ナルメフェンは飲酒欲求時に服用することで、中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体を拮抗し、飲酒欲求を抑制する初の頓用薬。アルコール依存症の主な治療は入院や抗酒薬を用いた「断酒」であるが、その治療ゴールの高さから継続が課題となっている。ナルメフェンは「お酒と上手に付き合う」という考え方のもと、減酒を目的とする。現在、日本におけるアルコール依存症患者は推計約80万人とされる。
大塚は今回の契約に基づき、ルンドベックに対して契約一時金5000万ユーロ(約65億円)を支払う。この契約一時金に加えて開発・承認、売上達成により、最大約1億ユーロ(約130億円)を支払う。ルンドベックは日本での共同販促の権利を持つほか、日本向けの錠剤バルク生産も担当する。
ナルメフェンは欧州17か国で4月から 発売中。多量飲酒リスク高値(男性で1日60g、女性で1日40g以上の飲酒量)の成人のアルコール摂取量を低減させるという適応をもつ世界初のアルコール依存症治療薬となっている。
なお、大塚とルンドベックは2011年に統合失調症やアルツハイマー病など3つの中枢神経系治療薬について共同開発・共同販促の契約を締結しているが、今回のナルメフェンは別の契約となる。