FDA Simponiを潰瘍性大腸炎の適応で承認
公開日時 2013/05/21 05:00
米食品医薬品局(FDA)は5月15日、TNF-α阻害剤Simponi(ゴリムマブ)について、潰瘍性大腸炎(UC)の適応で承認した。
Simponiが今回承認された適応は、前治療に抵抗性があるか、あるいは、ステロイド治療の継続を必要とする中等度から重度のUC。同剤はすでに、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎の適応で承認されているため、効能追加となる。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のAndrew E Mulberg消化器および先天性障害製品部副部長は、「UC患者は症状も様々で薬剤に対しても異なった反応を示すので、重篤で痛みのある症状に悩む患者に新規の治療オプションが追加されるのは大切なこと」とSimponiの登場を歓迎した。
Simponiの安全性・有効性は2本の臨床試験で検証された。評価は、排便頻度、直腸出血、内視鏡知見、および医師の総合的判断で行われた。
1本目の試験は、既存治療に忍容性がないか奏功しなかった中等度から重度のUC患者513例において、同剤とプラセボの無作為化比較対照試験とした。Simponi投与群ではプラセボ投与群に比べ、6週間後、臨床的反応・臨床的寛解を示したほか内視鏡的な大腸所見の改善が見られた。
2本目の試験は、Simponiに対するリスポンダーである中等度から重度のUC患者310例において、同剤とプラセボの無作為化比較対照試験とした。Simponi投与群では、54週間臨床的反応が維持され、30週および54週時ともに臨床的寛解を示した。
主な副作用は、上気道感染および注射部位の発赤。重篤な副作用では、侵襲的真菌感染症、B型肝炎感染の再活性化、リンパ腫、心不全、神経系障害およびアレルギー反応などがある。米国では、UC患者は約62万人存在すると言われている。
Simponiは、ヤンセンバイオテク(本社:ペンシルバニア州ホーシャム)が販売する。