ラクオリア創薬 韓国HK inno.N社に第三者割当で10億円を資金調達 持株比率10.61%で筆頭株主に
公開日時 2025/03/24 04:52
ラクオリア創薬は3月21日の取締役会で、韓国のHK inno.N社と資本業務提携契約を締結し、第三者割当による新株式発行で約10億円の資金調達を行うことを決議した。HK inno.N社は同社が創製したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)・テゴプラザンの導出先企業。今回の提携でラクオリア創薬は、HK inno.N社からの出資による財務基盤の強化に加えて、研究開発など多岐な分野で相乗効果を高め、企業価値の最大化を目指したい考え。今回の資金調達に伴い、HK inno.N社の持株比率は10.61%となり、筆頭株主となる。
今回の資本業務提携についてラクオリア創薬は、割当予定先のHK inno.N社に対する第三者割当増資による資金調達と、割当予定先と同社の戦略的なパートナーシップの構築を目的としたものと説明している。資本業務提携の具体的な内容は、割当予定先に対し、同社普通株式 259万2100 株(資金調達後の所有議決権比率10.62%)を割り当てるというもの。発行価額は1株当たり397円、調達資金額は 10億2906万3700円。資金調達の払込期日および同提携の開始日は25年4月18日を予定する。
業務提携の内容は、①ラクオリア創薬が創出した胃酸分泌抑制剤テゴプラザンの日本国内での事業化に関する協力、②同社が保有する開発化合物の価値向上に関する協力、③共同研究の実施、④その他の研究開発に関する協力-をあげる。調達した資金は、探索研究段階に係る継続的な開発化合物の創出のための研究開発費や、グレリン受容体作動薬等、前臨床試験段階以降にある既存化合物の価値向上のための研究開発費(原薬製造、前臨床試験、臨床試験等を含む)、さらには、設備投資のための投資資金に充当する予定。
◎HK inno.N社からの株主間契約の提案をラクオリア創薬および柿沼氏が受け入れ
今回の資金調達に伴いラクオリア創薬の筆頭株主の異動が見込まれる。現在の筆頭株主は同社社外取締役(監査等委員)の柿沼佑一氏(24年12月31日時点の持株比率10.92%)だが、資金調達後の持株比率は、柿沼氏の9.76%に対し、HK inno.N社が10.61%となり筆頭株主となる。なお、今回の合意に際し、HK inno.N社から24年12月以降、株主間契約(Shareholders' Agreement)に関する提案があり、ラクオリア創薬および柿沼氏は、計画している研究開発投資をさらに加速化するための資金調達の必要性を踏まえて、本株主間契約に関する提案を受け入れた。