アステラス製薬 多能性幹細胞由来の軟骨細胞医療プログラム創出へ 阪大大学院医学研究科と共同研究
公開日時 2024/07/23 04:50
アステラス製薬は7月22日、子会社のAstellas Institute for Regenerative Medicine(AIRM)およびUniversal Cellsと、大阪大学大学院医学系研究科との間で、椎間板変形症に対する多能性幹細胞由来の軟骨細胞医療プログラムの創出に向けた共同研究契約を締結したと発表した。Universal Cellsは、遺伝子編集技術により白血球型抗原(HLA)を遺伝子改変し、免疫拒絶反応を抑えた多能性幹細胞を作製できるユニバーサルドナー細胞(Universal Donor Cell:UDC)技術を有する。
今回の契約により、大阪大学大学院医学系研究科組織生化学の妻木範行教授が確立した軟骨組織の作製プロトコルと、Universal CellsのUDC技術、AIRMの細胞医療に関する研究開発の専門性を融合し、共同で椎間板変性症の革新的な細胞医療プログラムの創出を目指すとしている。
◎志鷹義嗣研究担当CScO「UDC技術用いたオープンイノベーションの重要なステップ」
アステラス製薬の志鷹義嗣研究担当CScOは、「革新的なUDC技術を、世界中のアカデミアやスタートアップへ提供し、次世代の細胞医療を1日も早く患者さんに届けたいと考えている。今回の提携は、UDC技術を用いたオープンイノベーションの重要なステップになる」と強調。大阪大学大学院医学系研究科の妻木範行教授は、「私たちが研究している軟骨様組織は、椎間板を再生する可能性があると考えている。本研究が、アステラス製薬が持つ強力なUDC技術と細胞医療プログラムの研究開発体制に組み合わさることで、その研究開発が進み、椎間板変性を治す再生治療が1日も早く実現することを期待している」とコメントしている。