東邦HD 産総研、JAISTと「次世代コールセンター構築」で共同研究 熟練者のスキル継承 AI導入も
公開日時 2024/06/20 04:50
東邦ホールディングスは6月19日、産業技術総合研究所(産総研)、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)と「次世代コールセンターの構築」に向けた研究開発を開始すると発表した。JAISTの西村拓一研究室と、人の作業や知識を構造化する共同研究開発を行う。熟練オペレーターが長年培ってきたスキルとノウハウをもとにコールセンター業務を行う職員の研修や応対スキルの向上、ノウハウとスキルの継承、AI導入などに活用したい考え。
東邦HDは2000年にコールセンターを開設。営業所の受注・内勤業務の集約と省人化を実現してきた。23年度実績では、得意先登録軒数は約2万4000軒、受付電話本数は約131万本で年々応対件数も増えているという。
同社グループでは中期経営計画2023-2025「次代を創る」で、「DX推進」をテーマの一つに掲げ、コールセンターにおいてもAI活用等により応対スキルの更なる向上と応対件数増加への対応を進め、熟練オペレーターが長年培ってきたスキルとノウハウを次世代に継承していきたい考え。
共同研究開発を行うJAISTの西村拓一研究室では、熟練者の暗黙知を発見し、動画などのデータとともに構造化することで、人ならではの社会的な知能や創造力を高める研究を進めている。すでに介護や製造業の現場で従業員が主体的に互いの経験や知見を集め構造化することに成功している。今回の産学官連携では共同研究を通じ、東邦HDのコールセンターが長年培ってきた専門スキルや作業手順、そして熟練オペレーターが持つ暗黙知を構造化し、そのデータをもとに職員研修の実施、応対スキルの向上、ノウハウとスキルの継承、AI導入に活用したい考えだ。