マルホ アメナメビルのASEAN10カ国の開発・販売権 シンガポールの製薬企業に導出
公開日時 2024/06/06 04:48
マルホは6月5日、抗ヘルペスウイルス薬・アメナメビル(一般名)のASEAN10カ国における開発・販売権を、シンガポールの製薬企業であるHyphens社に導出するライセンス契約を締結したと発表した。マルホは2023年10月よりスタートさせている第5次中期計画で、新たな海外事業戦略「アジア皮膚科ハブ構想」を掲げ、アジア各国・地域における事業展開を推進している。今回の契約は、「アジアでの事業展開の実現に向けた取り組みであるとともに、ヘルペス治療の選択肢が限られている患者さんのアンメットニーズに応えるもの」だとしている。
今回の契約に基づき、マルホはHyphens社へ本剤のASEAN10カ国における開発・販売を行うための独占的実施権を許諾する。Hyphens社は本剤の上市に必要な開発活動を進め、販売後は売上高に応じたロイヤルティをマルホへ支払う。なお、具体的な金額は非開示。
ASEAN10カ国はタイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、カンボジア、ミャンマー、ラオス――となる。
本剤はヘルペスウイルスのDNA複製に必須であるヘリカーゼ・プライマーゼ複合体の活性を阻害することで、水痘・帯状疱疹ウイルスおよび単純ヘルペスウイルスに対して高い抗ウイルス活性を示す。マルホは12年にアステラス製薬と本剤の開発・販売に関するライセンス契約を締結し日本での開発を進め、17年に帯状疱疹、23年に再発性の単純疱疹の適応症で承認を取得。国内製品名アメナリーフ錠として販売している。