NECと麻生 生成AIを活用して病院経営支援 麻生飯塚病院で実証実験 変化の兆候を捉え経営に活かす
公開日時 2024/05/30 04:50
NECは5月29日、麻生飯塚病院(福岡県飯塚市)の経営データをAIで分析し、結果を基に生成AIで経営判断支援につなげる「病院経営マネジメントサービス」の実証実験を始めたと発表した。飯塚病院を運営する麻生とNECによる、地域医療を支え、持続可能な病院経営を目指す「ホスピタルマネジメント構想」実現に向けた共創活動の一環。実証実験はNECと飯塚病院、グループICT企業である麻生情報システムの3社で実施する。
◎NEC AIデータ分析基盤「dotData」を活用 改善アクションを生成AIが提案
実証実験は、過去15年分の飯塚病院の入院日数や病床稼働率などの経営指標データや診療関連情報と、NECが提供するAIデータ分析基盤「dotData」を活用して病院経営指標の予測を実施。予測値と実績値の差異に関わる要因について、自動的に抽出してランク付けを行う。ランキングが高い要因につながる診療行為や患者の特徴を分析し、詳細な情報や改善に向けたアクションを生成AIが提案する。
実証実験の期間は2024年4月から7月まで。経営状況の可視化や傾向分析のスピードアップ、精度向上などにつなげる狙いだ。成果を踏まえ「病院経営マネジメントサービス」の24年度下期中の提供開始を目指すという。
◎「タイムリーな経営の意思決定に反映させる可能性を追求したい」
麻生取締役の池賢二郎・医療事業本部副本部長は、「生成AIなどの新たなテクノロジーを駆使し、現状十分に活用し切れていない大量の経営データをスピーディーかつ漏れなく解析し、いち早く変化の徴候を捉えることで、タイムリーな経営の意思決定に反映させる可能性を追求していきたい。これにより、データに基づいた迅速な意思決定が可能となり、病院全体の運営効率を大幅に向上させることを期待している」とコメントしている。