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Meiji Seika ファルマの小林社長 次世代mRNAワクチン・コスタイベ筋注用で「一歩世界に先駆けた!」

公開日時 2023/11/29 04:52
Meiji Seika ファルマの小林大吉郎代表取締役社長は11月28日、次世代mRNAワクチン「コスタイベ筋注用」の記者説明会に臨み、「ワクチン敗戦と揶揄された我が国において、レプリコンワクチンの実用化という点で一歩世界に先駆けることができた。これを何とかゴールまで持っていきたいというのが私の願いだ」と強調した。欧米諸国への承認手続きについてはライセンサーのCSL Seqirus社が第3相試験の日本データを用いて進めていくと明かし、「これも画期的なことだろうと考えている」と胸を張った。一方、国内に日本初のmRNAワクチンの原薬・製剤の一気通貫生産体制をアルカリス社と福島県南相馬市に構築したと報告した。

◎国産化と持続的な生産体制、開発体制を構築

「国産化と、今後の持続的な生産体制、開発体制が構築できないと様々に変異するCOVID-19のみならず、新興・再興感染症に対策するプラットフォームはできないと考えている」-。小林社長は記者説明会で熱く語った。次世代mRNAワクチン(ARCT-154)の開発は、福島の復興再生事業として産官学のチームで3年前にスタートした。小林社長は開発初期を振り返り、「企業間競争でどちらが早く開発するかとかいろいろあるが、我々のチームはより良いものを世界に先駆け、安定的に国内で提供できる体制を構築するかがゴールだと考えて取り組んできた」と強調した。

その結果、日本初のmRNAワクチンの原薬製造施設は経産省の復興支援補助金でアルカリス社が福島県南相馬市に23年7月にDS棟を竣工した。製剤製造施設は、経産省のデュアルユース(1次)でアルカリス社とMeiji Seikaファルマ共同で南相馬DP棟を、さらにデュアルユース(2次)でMeiji Seikaファルマ足柄製剤新棟を整備するなど国内製造拠点構想に取り組んできた。

一方で臨床試験は、有効性についてはデルタ株流行下のベトナムで行った大規模初回免疫第3相試験(1.6万例)で、初回免疫における有効性(発症予防効果)を検証。追加免疫については、国内追加免疫第3相試験でオミクロン株に対する中和抗体価についてコミナティに対する優越性を検証した。その結果、コスタイベ筋注用はコミナティに比べて抗体価が高く、持続性に優れていることを確認した。小林社長は、「初回免疫と追加免疫二つの効能を持っている国内承認のコロナワクチンとして初めて。先行する既存ワクチンは追加免疫しか持っていないので、ここについても将来の展望が開けていると考えている」と強調した。

◎重点戦略領域とのシナジーなど技術応用で「予防」から「治療」への展開に意

小林社長は、「この新機能モダリティのワクチンの安全性、有効性が国内第3相試験で実証されたことが非常に意味深い」と強調。さらに、福島を連携拠点として、「mRNAワクチンの研究・開発から製造・販売まで一気通貫のバリューチェーンを築き、画期的で有用なワクチンを継続的に供給していきたい」と意気込んだ。また、mRNA-LNP技術獲得を起点とした事業展開の可能性にも言及。感染症領域の創薬基盤を強化や関連技術との融合や重点戦略領域とのシナジーなど技術を応用した「予防」から「治療」への展開にも強い意欲を示した。
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