国立成育医療研究センターと国がん 小児・AYA世代のがんは女性が7割超
公開日時 2023/11/17 04:49
国立成育医療研究センターと国立がん研究センターは11月15日、2018-19年の小児・AYA世代の院内がん登録データの集計結果を公表した。15歳以上40歳未満のAYA世代では、女性の割合が7割を超え、乳がんや子宮頸部・子宮がんの割合が高いことがわかった。公表した報告書では「年齢によって患者数の多いがん種や性別が異なる。今後も継続的な分析・情報公開が必要だ」とした。
小児・AYA世代のがんに特化した集計・分析は19年に続き2回目。データは18~19年に全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院など院内がん登録実施施設で新たに治療を開始した0歳から40歳未満の症例が対象。小児がんは483施設4688例、AYAがんは860施設5万8062例を集計した。
15歳未満の小児がんでは、がん種の割合は白血病(30.4%)▽脳腫瘍(23.0%)▽リンパ腫(9.8%)―の順に多かった。施設ごとの診療割合では、小児がんを重点的に取り組む小児がん拠点病院の割合が33.3%だった一方、がん診療拠点病院も59.0%に上った。この点について、国立がん研究センターは「小児がんの拠点と他施設との連携を深めて、小児がん治療の均てん化を図っていきたい」とした。
AYA世代では女性の割合が77%を占め、年齢が上がるにつれて割合は大きくなった。がんの種類として最も多かったのは、上皮細胞から発生した悪性腫瘍を指す「癌腫」(37.8%)だった。内訳では、女性は乳癌(34.2%)▽子宮頸部・子宮癌(25.4%)▽甲状腺がん(14.3%)の順に多く、男性では結腸・直腸癌(28.1%)▽甲状腺癌(14.4%)▽胃癌(11.7%)―だった。