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【中医協薬価専門部会 11月10日 議事要旨 新薬・基礎的医薬品 新薬の薬価算定ルール(中間報告)】

公開日時 2023/11/13 04:51
中医協薬価専門部会は11月10日、新薬・基礎的医薬品の論点をテーマついて議論した。議論に先立ち、厚生労働行政推進調査事業費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)「適切な医薬品開発環境・安定供給及び流通環境の維持・向上に関する研究」の研究代表者・成川衛氏(北里大学薬学部教授)から新薬の薬価算定ルールに関する検討事項の提案(中間報告)について説明を受けた。本誌は各側委員の質疑について議事要旨として公開する。

安川部会長:では、ただいまの説明についてご意見、ご質問をいただきたいと思います。ご説明を頂戴しました成川先生に対する質問、それから事務局より説明いただいた内容、これに対する意見、質問、これを両方まとめてお願いしたいと思います。それではよろしくお願いします。では長島委員よろしくお願いいたします。

長島委員:はい。成川先生におかれましては、ご丁寧なご説明ありがとうございました。それでは、各論点についてコメントいたします。

資料「薬―1」18ページ(日本への早期導入に関する論点)についてです。先駆加算に準じた評価や収載後の外国平均価格調整で価格が引き上げになる場合も適用する等の提案がありましたが、検討の前提として、医療上の必要性が高い革新的新薬の早期導入のインセンティブと、近年問題視されているドラック・ラグ/ロスの改善との関係について明確にしておく必要があると考えます。

つまり、これらの施策が導入されたのなら、ドラッグ・ラグ/ロスは本当に改善されるものなのか。事前にどういったところを指標として見て置くのかを定めておき、事後的な評価をきちんと行っていく必要があると考えます。その後の開発状況について継続して検証していくこととセットで措置するものと思います。ドラッグ・ラグ/ロスについては他の施策とセットの相乗効果によって改善されるものであることは理解していますが、改善しない場合は、評価のあり方を見直すことも必要ではないかと思います。

なお、外国平均価格調整については、前回意見の繰り返しになりますが、既に使用されている医薬品の外国価格が高いという理由だけで、収載後に薬価を上げることは、患者さんの理解は得られにくいのではないかと思います。日米欧で同時期に薬事承認を得たとしても、日本は承認から保険適用までの期間が短いため、比較できる外国価格がない状況はごく自然に発生してしまいますが、それは迅速に保険適用されるという我が国ならではのメリットの裏返しとも言えますので、資料「薬―1」16ページ(収載後の外国平均価格調整)の現行の対応でも良いのではないでしょうか?

続いて資料「薬―1」29ページ(補正加算の評価(定量化、加算率)の論点等)についてです。有用性系加算等の評価項目と定量化については、最近の医薬品の開発状況等を踏まえた研究班による分析をいただきましたので、新たに追加した項目を基に評価を判断し、加算率を柔軟に判断していくことに異論はありません。

その上で、事務局あるいは成川先生にいくつか質問をさせていただきます。資料「薬―1」25ページ(有用性系加算等の評価項目と定量化 ①)の対応案で「e.同じ疾患領域において、新規の作用機序の新薬が長期間収載されていない」とありますが、この疾患領域の定義はどのようにお考えでしょうか? アルツハイマーは該当するのでしょうか?

また、27ページ(有用性系加算等の評価項目と定量化 ③)の対応案のうち、「e. 作用機序に基づいて特定の患者集団に適応が限定され、当該集団に対して高い効果が示される」については、最初の承認が限定的でも、効能追加を重ねる可能性を踏まえれば、対象から外すことも考えられるのではないでしょうか?

資料「薬―2」22ページ(作用機序に基づいて特定の患者集団に適応が限定されている品目の例)の補足データの事例で言えば、有用性加算による評価を患者数をもとにより細かく規定することも考えられますが、そのような検討はされたのでしょうか?

次に資料「薬-1」27ページ(有用性系加算等の評価項目と定量化 ③)の対応案のうち、「f. 患者QOLの向上など、臨床試験での重要な副次的評価項目において既存の治療方法に比べた改善が示される」について、副次評価項目が重要かどうかは、どの立場の視点で重要と判断されるのでしょうか?

最後は、資料「薬―1」38ページ(基礎的医薬品に関する論点等)についてです。基礎的医薬品制度は、平成28年度の導入以降、対象の追加がなされてきた一方で、毎年改定の影響もあり、運用が相当複雑化しております。医療上の必要性の高い医薬品の安定供給確保は非常に重要な課題であり、現状のもとで考え方をしっかり整理する必要があると考えます。

25年未満で不採算品再算定の対象となる品目があるのであれば、安定供給確保のため要件である年数を見直すことも検討に値すると考えます。

ただし、基礎的医薬品という価格が維持されていることを期待されている品目が、全品目の平均乖離率以下の乖離率となる場合もあることについては、制度の目的を考えますと、理解に苦しみます。

薬価上の評価を与えるのであれば、安定供給に向けた情報開示するなど、何らかの企業努力を「見える化」することを求めることも検討に値するのではないでしょうか? 私からは以上です。

安川部会長:ありがとうございます。今いくつか長島委員より成川先生および事務局に質問をいただきました。まず成川先生の方から、もし可能な範囲でご回答いただけるような部分がございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか?

成川研究代表者:ご質問いただきましてありがとうございました。最初の質問のドラッグ・ラグ/ロス対策の効果を評価していくべきではないかとの(長島委員の)指摘ですが、すごく重要なご指摘であると思います。それについて提案したという責任もございますし、あるいはこの分野の研究をしているという専門家でもありますので、フォローアップをしていきたいと思います。この難しいところは薬の開発には時間がかかりますので、承認の出口のところまで来るのに多少お時間がかかります。なので、もう少し前半のところも何らかの指標を捉え、例えば先程紹介した国際共同試験の参加状況なども含めて、ぜひフォローしていきたいというふうに考えています。

それから2つ目の質問です。資料「薬―1」25ページ(有用性系加算等の評価項目と定量化 ①)の対応案のところです。疾患領域でございますけど、元々感染症とか、そういうところを念頭に考えたところではありますが、私として特に提案として疾患を限定する意図はございません。場合によっては認知症もここに上がってもいいのかもしれませんが、そこは個々の品目の状況に踏まえて薬価算定組織で検討いただくということが必要じゃないかというふうに考えております。

3つ目の質問です。効能追加を重ねる予定のあるものがあるのではないかというご指摘でございました。こちらにつきましては、実は作用機序的にも理論的にもと言いますか、大幅な効能追加というのは考えにくい医薬品を想定していますけれど、そこはその品目の開発状況なども少し踏まえて考えないといけない面はあるのかなというふうに考えております。より細かい分析をしていますか?というご質問につきましては、すみません、そこはこれ以上の詳細のところはしていないというのが正直なところございます。

それから最後の4点目の質問で、副次的評価項目のご質問がございました。副次的評価項目というのは、試験の中では結構数多く設定されますので、それを全部見ては切りがないという背景がございます。ですから重要という限定を入れさせていただきまして、そこの考え方としまして一つは薬事審査において重要性が指摘されているということがあると思いますし、それ以外でも例えば薬価算定組織の議論の中で、この疾患についてそういう指標が重要だというふうなご判断がなされる可能性もあるのではないかと思います。以上です。

安川部会長:ありがとうございます。事務局からもよろしいでしょうか

薬剤管理官:薬剤管理官でございます。直接の質問ではありませんけども、先ほどの検証についてです。今回こういった形で提案させていただいたのは業界からの要望も踏まえて、論点として提示したものでございます。ご指摘の通り今後の検証というところも当然必要ではないかと考えております。

ただ、どういったやり方が良いかは先ほど成川先生のお話もありましたけれども、いつもそういったところを考えていくべきものかなと思います。いずれにしてもこういったところに関しては専門委員や業界からも、まずドラッグ・ラグ/ロスの解消のために、今回示した論点も含めて措置が必要であることをどう考えているか、あるいはこういった対応によって日本の開発状況がどう変化するかを業界とどう考えていくのか、そういったところ意見をいただきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。

安川部会長:はい、ありがとうございます。長島委員よろしいでしょうか?

長島委員:はい、ありがとうございました。

安川部会長:森委員よろしくお願いいたします。

森委員:はい、ありがとうございます。成川先生ご説明ありがとうございました。論点に沿って発言させていただきます。まず資料「薬―1」18ページ(日本への早期導入に関する論点)の「①」についてですが、論点に示されている考え方を全て満たす品目は早期導入の考え方に則しているものであり、一定の評価があっても良いものではないかと考えます。

また、評価を行う場合、新規収載時における補正加算も効能効果による改定時加算もいずれも適用すべきではないかと考えます。

次に、「②」についてですが、論点に示されている考え方により引き上げ調整を行うこと、類似薬効比較方式で算定される品目も対象とすることに検討の余地はあるものと考えますが、収載後に薬価の引き上げを行うと継続的に薬剤を使用する患者さんにとっての負担感は小さくないと思われます。患者負担額への影響に配慮し、価格が引き上がりすぎないよう、上限を小幅に設定するなどの対応は必要と考えます。また、このような課題があることを踏まえれば、収載後に薬価を引き上げるよりも収載時の評価を充実させることが重要と考えます。

早期導入に関する論点への意見は以上ですが、先ほどの長島委員と同様の指摘になりますが、このような薬価上の評価をすることにより、本当にドラッグ・ラグ/ロスの解消につながるかどうか、今一つ明確でないと感じています。この点について、成川先生と製薬業界の方に、どのように捉えているのか意見をいただきたいと思います。

次に資料「薬-1」29ページ(補正加算の評価(定量化、加算率)の論点等)に示されている論点については、新規モダリティ製品の開発などの変化に対応した評価、市場性加算等の加算率が低い等の点から評価を行うべき品目については、しかるべき評価がされるように見直すべきと考えます。ただし、薬価算定組織の個別の判断によって加算を行う場合には、その根拠を中医協総会に説明して、承認を得ることが前提と考えます。薬価算定組織におかれましては、考え方や評価の妥当性をしっかりと総会にご報告いただきますようお願いします。

次に資料「薬―1」38ページ(基礎的医薬品に関する論点)の一つ目のポツについてです。資料「薬―1」34ページ(基礎的医薬品における状況変化と現状・イメージ)にも示されている通り、薬価の中間年改定により、長期間にわたり収載されている品目という意味合いが変わってきています。倍のスピードで短期間に薬価が下がってしまう現状に鑑みても、基礎的医薬品の要件である収載から25年というところは見直す必要があると考えます。

また平均乖離率以下が対象となることから、総価取引等による予期しない引き上げとならないように、一層の流通改善の必要があると考えます。

2つ目のポツについてですが、価格帯が分かれすぎないよう、合理的な整理が必要と考えます。私からは以上です。

安川部会長:はい、ありがとうございます。ただいま森委員から施策によるドラッグ・ラグ/ロス解消の効果に関するご質問がございました。業界からのご意見は後ほどまとめて頂戴したいと思います。成川先生の方から今のご質問に加えてご回答があるようでしたら、お願いします。

成川研究代表者:はい、ありがとうございます。森委員からご質問ありがとうございました。今回の研究を行って案をまとめた立場として、将来日本の患者さんに必要な薬が届かなくなるような事態は避けたいというものが検討のベースでございます。そういった視点で、薬価だけの対応でそれができるとは思ってないのですけれど、こちらの場(中医協)ですので薬価の観点でどういった工夫ができるかというふうなところで基礎的な分析を行ってご提案をしたという経緯でございます。ですから研究を行った立場といたしましては、これが効果を発揮して、今のドラッグ・ラグ/ロスの改善につながるというふうに思っております。

ご指摘のようにやっぱりフォローアップは重要でございますので、そこはきちんと効果の検証なることはいろいろな場でやっていく必要があるというふうに思っております。以上でございます。

安川部会長:ありがとうございます。森委員よろしいでしょうか?

森委員:ありがとうございました。

安川部会長:他にご意見ご質問ありますでしょうか。では松本委員お願いします。

松本委員:成川先生におかれましてはご説明どうもありがとうございました。それでは論点に従いましてコメントしたいと思います。

まず資料「薬―1」18ページ(日本への早期導入に関する論点)に関する件でございますけれども、論点の「①」につきましては10月20日の部会でも、薬事制度と整合がとれていることが不可欠だと申し上げたことが反映された提案であると受け止めており、試行的に導入する余地はあるというふうに考えております。

続きまして2つ目の外国平均価格調整でございますけども、これ長島委員、森委員から発言がありましたが、私どもも10月20日の部会で、外国の方が(薬価が)高いという理由だけで途中から(薬価を)値上げすることは患者の理解を得られないと申し上げました。

今回の資料を拝見しましたけれども、そこを覆すような合理的な理由が示されていないこともありますし、資料「薬―1」の8ページ(日本への早期導入に関する評価)を見ましても、対象価格の引き上げになるそのものも非常に対象が少ないということから考えますと、調整の導入そのものは難しいというふうに考えております。

したがいまして類似薬比較方式で算定した品目を、収載後の外国平均価格調整の対象とすることにつきましても、引き上げと引き下げがセットということであれば、患者負担への影響に配慮して慎重に検討すべきということでございます。

続きまして資料「薬―1」29ページ(補正加算の評価(定量化、加算率)の論点等)に関する件でございます。研究班の指摘も踏まえて、真に医療上の必要性がある品目について、一定のルールに従って個別に薬価算定組織で判断するということであれば、運用の見直しについて検討することに異論はございませんが、これにつきましては業界の意見も聞いた上で最終的に判断したいというふうに思っております。

続きまして資料「薬―1」38ページ(基礎的医薬品に関する論点等)に関する件でございますけども、毎年の薬価改定の導入など、以前と状況が変わってきたことを踏まえれば、そもそも25年要件が妥当なのかを検討することは否定いたしません。けれども、やはり薬価が下がっている根本的な原因は、実勢価格が低下していることにありますので、まずは市場で適切な価格で取引されるようにすべきだというふうに指摘させていただきます。

また、基礎的医薬品を対象から外れた銘柄について、特に市場で大きな値引きが行われているものであり、運用が複雑だからという理由で、加重平均で一緒に薬価を引き上げるということについては慎重に考えるべきだと思っております。

それで成川先生のご説明について一点質問があります。資料「薬―2」の7ページ(革新的新薬の日本市場への速やかな導入のために薬価・薬事の両面から検討すべき方向)ですけども、2つ目のポツで「日本法人を有さない海外企業(特に中小規模)の考慮」というポイントが示されておりますけども、これについて何かイメージされているものがあればご紹介いただければというふうに思います。私からは以上でございます。

安川部会長:はい、ありがとうございます。松本委員からご質問のありました中小企業への考慮という点について、成川先生からご回答いただけるようでしたら、お願いいたします。

成川研究代表者:ありがとうございます。一言ご回答申し上げます。これも妙案があるわけではございませんけれど、特に米国のバイオベンチャー発の医薬品が増えてきているというところは避けようがない。そういった方々(米国のベンチャー等)に日本に目を向けてもらうために、実は薬事の面から、日本の薬事規制の発信を対外的に強めようという検討が行われております。

薬価の方でも良い医薬品であれば(日本でも)早期導入のインセンティブになるというメッセージ性が伝わるような、海外企業の方に分かりやすい仕組みを薬価上のルールに少し盛り込んで頂くということかなというふうに考えております。以上でございます。

安川部会長:ありがとうございました。松本委員よろしいでしょうか?

松本委員:はい、どうもありがとうございました。

安川部会長:他に良いご意見ご質問ありますでしょうか? 鳥潟委員お願いします。

鳥潟委員:はい、ありがとうございます。イノベーションの適切な評価の観点からはメリハリのある制度にしていくことは無論大事なことだと思っております。一方で予見可能性を高めていく必要があるというふうにも考えておりまして、基礎的医薬品の制度が複雑な仕組みとなっていること自体は非常に留意すべきことだと思っております。収載から対象となるまでの期間を短くしつつ、対象から外れた銘柄を価格集約する際には、改定前薬価までの引き上げとするなど、価格帯が一定の範囲に収束するような仕組みとすべきではないかというふうに考えています。以上です。

安川部会長:はい、ありがとうございます。続いて眞田委員お願いします。

眞田委員:はい、ありがとうございます。何点かコメントさせていただきたいと思います。まず資料「薬―1」18ページ(日本への早期導入に関する論点)の「①」についてです。革新的な新薬の日本への早期導入に対する評価を新たに行うということについて異論はございません。

資料「薬―1」14ページ(日本に早期導入することの考え方)にある通り、先駆的医薬品でない場合であっても、迅速な導入を評価するというその軸を検討すべきだろうと思います。

一点質問をさせていただきたい。成川先生からのご説明もありました資料「薬―2」10ページ(医療上の必要性が高い革新的新薬の早期導入インセンティブ)に、「米国又は欧州のいずれか早い方との申請時期の差が6か月以内」と設定をされておりますが、この6か月という設定をされている理由があれば、おうかがいをさせていただきたいというふうに思います。

続いて資料「薬―1」29ページ(補正加算の評価(定量化、加算率)の論点等)でありますが、1つ目の矢じり「有用性系加算の定量化に関して、最近の医薬品の開発状況等を踏まえ、今回新たに項目を追加」するということについても異論はございません。

2つ目の矢じり「補正加算」についてでありますけど、これも資料「薬-1」28ページの考え方に基づき、現在規定をされている範囲内で加算率を柔軟に判断することについて異論はありません。その一方で、加算率について一律の基準を設けることが困難というふうにありますけれども、患者負担が増加し得る見直しでもありますので、公正公平な判断がなされているかということが大前提になろうかというふうに思います。今後も引き続き薬価収載の際に丁寧な説明が求められるべきというふうに考えております。私からは以上です。

安川部会長:はい、ありがとうございます。眞田委員からのご質問にある期間設定の理由について成川先生からご回答いただけるようでしたらお願いいたします。

成川研究責任者:ご質問ありがとうございました。6か月の基準でございますが、絶対的な指標があるわけではございません。6か月と設定した背景としては、一つは資料の翻訳にそれなりの時間がかかるということがございます。それから日本の申請書に記載する医薬品の製造方法ですとか、規格および試験方法といった品質関連の日本語の資料を作る必要がある。さらに、国際共同試験のデータを出すことが多いため、そこから日本人のデータを取り出して、全体の集団と効果と安全性に一貫性があるかと大きな差がないかというふうなことを追加で分析をしたり考察の時間が一定必要ではないかということで、6か月という形にいたしました。以上でございます

安川部会長:はい、ありがとうございます。眞田委員よろしいでしょうか?

眞田委員:はい、ありがとうございました。

安川部会長:佐保委員お願いいたします。

佐保委員:はい、どうもありがとうございます。新薬、基礎的医薬品どちらにしても患者の視点から考えると、やはり安定供給が大事ではないかなと思います。なので、そういった視点での検討が必要かと思っております。以上です。

安川部会長:はい、ありがとうございます。他にいかがでしょうか。先ほどから業界の意見を踏まえて、あるいは業界の意見を聴取して、という何人かの委員からの質問等がございました。専門委員からご意見を頂戴できればと思います。いかがでしょうか。石牟禮委員お願いします。

石牟禮専門委員:専門委員の石牟禮でございます。特に新薬の部分につきましての業界の受け止め等につきまして申し上げたいと思います。時間の関係がございますので、かいつまんでのコメントとなりますことをご了承いただければと思います。

まず今回の新薬の薬価算定ルールに関するご提案をご検討いただきました成川先生におかれまして、私どもからも感謝申し上げたいと思っております。特に資料「薬―2」32ページ(将来に向けた課題)につきましても、我々の課題認識と合致しております。ぜひ引き続き研究を進めていただきたくお願い申し上げたいと存じます。また、本日事務局より示された資料「薬―1」の論点につきましても、業界陳述の内容に沿ったものというふうに理解をしておりまして、ドラッグ・ラグ・ロスを解消するために必要な薬価上の対応と認識しております。研究班のご提案に沿った形で是非ご検討いただきたいというふうに考えております。

その上で新薬の論点それぞれにつきまして、また基礎的医薬品につきまして1点コメントさせていただければと思います。

まず、資料「薬―1」18ページ(日本への早期導入に関する論点)についてです。論点の「①」につきましては、薬事の方で検討されております国際共同治験への参画を後押しすることにつながると私どもは考えておりますので、こういった加算の新設をぜひご検討いただきたいというふうに考えております。その上で適用の考え方は先ほど「6か月」というご説明がございましたけれども、まさに私どもは「最低6か月」はかかるというふうに認識はございます。承認につきましては4つ目のポツ「承認時期が欧米より早い又は欧米より最も早い承認から6か月以内」でございますが、承認時期という部分につきましては、現在薬価改定の時期に応じて新薬の承認時期が遅れるタイミングがどうしても発生するという状況もございますので、企業にとってはやむを得ない場合ということを考慮して柔軟に適応いただければとお願い申し上げます。

また論点「②」につきましては専門委員といたしまして、現在引き下げしかないルールの公平性という観点はあると考えますけれども、収載後に外国価格をもって薬価を引き上げること自体がない仕組みをご検討いただければというふうに考えております。

資料「薬―1」29ページ(補正加算の評価(定量化、加算率)の論点等)につきましてもこちらも業界から要望しており、一つ目の矢じりにつきましては、評価の視点が明らかになることにより、新たなモダリティで開発された新薬の価値評価や、開発が困難な領域の企業の取り組みを促進するものにつながるというふうに考えている。

二つ目の矢じりも資料「薬-1」28ページ(開発状況等に基づく加算率の評価の考え方)のような考え方により、開発コストの回収が難しい領域への取り組みが評価されるということが明示されますと、企業の意思決定の後押しになるというふうに考えます。その点で成川先生の研究では、資料「薬―2」27ページ(その他補正加算の加算率のメリハリ)におきまして複数種類の加算についての併算定についてご提案いただいております。こちらにつきましても検討いただければ幸いでございます。

最後に基礎的医薬品についてです。先日の意見陳述でも業界代表より基礎的医薬品や不採算品再算定といった薬価を下支えするルールの充実化を要望しております。その中で基礎的医薬品は、不採算に至る前に薬価を下支えする制度であるということを踏まえますと、今回ご提案いただいております不採算品再算定対象品目における収載からの年数が考慮された要件の見直し等は、必要なことというふうに考えております。ぜひこの方向でご検討いただければと存じます。以上でございます。ありがとうございました。

安川部会長:はい、ありがとうございます。今の専門委員の発言も踏まえて、もし追加でご質問ご意見等ございましたら、いかがでしょう。よろしいでしょうか。

特にご意見ご質問内容でしたら本件に係る質疑はこのあたりといたします。今後、事務局において本日頂戴いたしましたご意見も踏まえご対応いただくようにお願いをいたします。本日の議題は以上です。次回の日程につきましては、追って事務局よりご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。それでは本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 
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