日本セルヴィエ 抗悪性腫瘍酵素製剤・オンキャスパーを発売
公開日時 2023/10/03 04:48
日本セルヴィエは10月2日、抗悪性腫瘍酵素製剤・オンキャスパー点滴静注用3750を発売した。効能・効果は「急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫」で、他の抗悪性腫瘍剤と併用して、年齢などで定められた投与量を2週間間隔で用いる。薬価は3750国際単位1瓶が23万637円。
オンキャスパーは、大腸菌由来L-アスパラギナーゼ(L-ASP)をポリエチレングリコールで化学修飾(PEG化)した酵素製剤。PEG化によって半減期が延長し、長期間にわたり薬の効果が期待できる血中アスパラギナーゼ活性を維持する。L-ASPは、血中のL-アスパラギンをアスパラギン酸とアンモニアに分解し、L-アスパラギンを枯渇させることにより、増殖においてL-アスパラギンを必須とする急性リンパ性白血病(ALL)などの悪性腫瘍に対して増殖抑制作用を示すと考えられている。
1994年に米国で初めて承認されて以来、世界70か国(23年2月現在)で承認されており、多くの国で急性リンパ性白血病の標準治療薬として使われている。日本では、従来のアスパラギナーゼ製剤に過敏症を示す患者を救済することなどを背景に、厚労省の「未承認薬・適応外薬検討会議」から本剤への開発要請がなされ、日本セルヴィエが国内における臨床開発を通じて22年6月に承認申請し、23年6に承認を取得した。