訃報 元・武田薬品常務取締役、日薬連薬価研委員長を務めた八代光夫氏が死去、84歳
公開日時 2023/09/29 15:30
(訃報)元・武田薬品常務取締役で日本製薬団体連合会・保険薬価研究委員会委員長などを務めた八代光夫(やしろ・みつお)氏が9月27日、誤嚥性肺炎で亡くなった。84歳。通夜は9月30日、葬儀は10月1日。通夜、葬儀とも家族葬にて執り行う。参列、香典のお心遣いは辞退している。喪主は長男の八代健太氏。
八代氏は1995年6月に武田薬品の取締役に就任、97年6月常務取締役、2003年6月から顧問、同年9月にダイトに入社して顧問に就任、その後、同社の代表取締役会長など歴任した。2004年7月から2020年3月までは千寿製薬の特別顧問を務めた。
八代氏は、1999年~2004年までの5年間、日薬連保険薬価研究委員会の委員長として製薬産業のために尽力した。当時、既収載医薬品の薬価改定における薬価算定方式をめぐる議論が巻き起こっていた。従来の一定価格幅を1992年の15%から徐々に縮小し、2000年に薬剤流通安定のための「調整幅」という考えから2%とし、既収載医薬品の薬価算定方式を「市場実勢価格加重平均値調整幅方式」に変更した時期と重なる。それから20年以上を経過して、再び「調整幅」の議論にスポットライトがあたりだした。当時、東京・日本橋の旧・武田薬品本社ビルに八代氏を何度も取材で訪問した。眼光鋭く、「一体どうなっているんだ!」と挨拶代わりに放つ一言ひとことに、記者(私)も怖気づいたものだ。ただ、その度ごとに、丁寧にインタビューに応じて頂けた姿はいまも忘れない。これからも製薬産業の行く末をお守りください。(ミクス編集長・沼田佳之)