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厚労省 アルツハイマー病治療薬・レケンビなど新薬等21製品を承認 新有効成分は13製品

公開日時 2023/09/26 04:52
厚生労働省は9月25日、新医薬品など21製品を承認した。新有効成分含有医薬品は13製品で、この中にエーザイが製造販売するアルツハイマー病治療薬・レケンビ点滴静注(一般名:レカネマブ)が含まれる。エーザイの内藤晴夫CEOは、レケンビの承認取得を受けて、「我が国においてレケンビが、アルツハイマー病の進行を抑制し日常生活機能を維持することを示した治療薬として初めて承認された。アルツハイマー病治療の歴史に新たなページを開くことができた」とコメントした。

このほかの新有効成分含有医薬品は、▽透析そう痒症改善薬・コルスバ静注透析用(一般名:ジフェリケファリン酢酸塩、製造販売元:丸石製薬、薬効分類129)、▽家族性高コレステロール血症などを対象疾患とするLDLコレステロール低下siRNA製剤・レクビオ皮下注(インクリシランナトリウム、ノバルティス ファーマ、218)、▽透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症改善薬・フォゼベル錠(テナパノル塩酸塩、協和キリン、219)、▽全身型重症筋無力症治療薬・ジルビスク皮下注(ジルコプランナトリウム、ユーシービージャパン、399)、▽再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫及び濾胞性リンパ腫治療薬・エプキンリ皮下注(エプコリタマブ、ジェンマブ、429)、▽HER2陽性乳がん及び結腸・直腸がん治療薬・フェスゴ配合皮下注(ペルツズマブ/トラスツズマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ、中外製薬、429)、▽RSウイルスワクチン・アレックスビー筋注用(乾燥組換えRSウイルスワクチン、グラクソ・スミスクライン、631)、▽無又は低ガンマグログリン血症治療薬・キュービトル20%皮下注(pH4処理酸性人免疫グロブリン、武田薬品、634)、▽血友病A治療薬・オルツビーオ静注用(エフアネソクトコグ アルファ、サノフィ、634)、▽血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビター保有の先天性血友病治療薬・アレモ皮下注(コンシズマブ、ノボ ノルディスク ファーマ、634)、▽5種混合ワクチン・クイントバック水性懸濁注射用(沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン、KMバイオロジクス、636)、▽全身型重症筋無力症治療薬・リスティーゴ皮下注(ロザノリキシズマブ、ユーシービージャパン、639)――となる。

承認された製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)。薬効分類順に記載。

レケンビ点滴静注200mg、同500mg(レカネマブ(遺伝子組換え)、エーザイ):「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。優先審査品目。再審査期間は8年。薬効分類119。

新規作用機序の抗Aβプロトフィブリル抗体。強い神経細胞毒性を示すことが報告されているAβプロトフィブリルに選択的に結合し、ミクログリアによる食作用を介してこれを除去することにより、早期アルツハイマー病(AD)患者におけるADの疾患進行による臨床状態の悪化を抑制する。

効能・効果は、「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」。あくまで進行を抑制するもので、アルツハイマー病を治癒するものではない。用法・用量は「通常、10 mg/kgを、2週間に1回、約1時間かけて点滴静注する」。投与に際しては、PET診断や脳脊髄液で病理を確認することが必要になる。承認条件として全例調査がついている。

エーザイが製造販売元として販売を行い、バイオジェン・ジャパンと共同販促する。今回の日本での承認は、7月の米国フル承認に次ぐ2カ国目となる。

コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg、同25.0μg、同35.0μg(ジフェリケファリン酢酸塩、丸石製薬):「血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類129。

κオピオイド受容体作動薬。血液透析患者におけるそう痒症の改善を適応症とした初の静脈注射用製剤。同様の作用機序を有する経口剤であるナルフラフィン塩酸塩とは投与経路が異なる。

丸石製薬は13年4月に米国カラセラピューティクス社から導入し、17年3月からキッセイ薬品と国内で共同開発した。本剤は丸石製薬が製造し、キッセイ薬品が販売する。

レクビオ皮下注300mgシリンジ(インクリシランナトリウム、ノバルティス ファーマ):「家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症。ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。・心血管イベントの発現リスクが高い、・HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類218。

プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)遺伝子を標的とした低分子干渉リボ核酸(siRNA))。PCSK9の発現を低下させることで、肝細胞表面上の低比重リポタンパク受容体の分解を抑制し、循環血中の低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)を低下させる。初回投与および3カ月目の投与後は年2回の投与で済む。

フォゼベル錠5mg、同10mg、同20mg、同30mg(テナパノル塩酸塩、協和キリン):「透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類219。

NHE3阻害薬で、腸管からのリン吸収を抑制する。具体的には、腸管で局所的にナトリウムイオン/プロトン交換輸送体3(NHE3)を阻害し、リン吸収の主要経路である傍細胞経路(細胞間隙経路)からのリン吸収を抑制する。

用法・用量は「通常、成人には1回5mgを開始用量とし、1日2回、朝食及び夕食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1回30mgとする」。

エンタイビオ皮下注108mgペン、同108mgシリンジ(ベドリズマブ(遺伝子組換え)、武田薬品):「中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余(2029年3月26日まで)。薬効分類239。

ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体。皮下注製剤ではこれまで潰瘍性大腸炎の維持療法が承認されていたが、今回クローン病の維持療法が追加された。クローン病患者においても投与方法の選択肢が広がった。

ソル・メドロール静注用40mg、同125mg、同500mg、同1000mg(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム、ファイザー):「川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。薬効分類245。

川崎病の急性期において、静注用免疫グロブリン不応例または不応予測例には、本剤の投与が国内外ともに専門書およびガイドラインで推奨されており、標準治療の一つに位置付けられている。川崎病は、乳幼児に好発する原因不明の血管炎症候群。本剤は、水溶性の副腎皮質ホルモン剤で、免疫抑制作用および抗炎症作用によって血管炎を鎮静化させる。

ジルビスク皮下注16.6mgシリンジ、同23.0mgシリンジ、同32.4mgシリンジ(ジルコプランナトリウム、ユーシービージャパン):「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類399。

補体第5成分(C5)阻害薬。15個のアミノ酸から構成される大環状ペプチドで、補体C5の不適切な活性化が関与する疾患の治療を意図した治療薬。C5阻害作用を有する初の自己投与可能な皮下注製剤で、1日1回投与する。

ロミプレート皮下注250μg調製用(ロミプロスチム(遺伝子組換え)、協和キリン):「再生不良性貧血」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2025年4月17日まで)。薬効分類399。

トロンボポエチン受容体作動薬。これまでの効能・効果は「既存治療で効果不十分な再生不良性貧血」だったが、今回、「既存治療で効果不十分な」が削除された。

▽①ティーエスワン配合カプセルT20②同配合カプセルT25③ティーエスワン配合顆粒T20④同配合顆粒T25⑤ティーエスワン配合OD錠T20⑥同配合OD錠T25⑦エスワンタイホウ配合OD錠T20⑧同配合OD錠T25(テガフール/ギメラシル/オテラシルカリウム、①~⑥大鵬薬品⑦~⑧岡山大鵬薬品):「胃がん、結腸・直腸がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、手術不能又は再発乳がん、膵がん、胆道がん、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法」を効能・効果とする新用量医薬品。公知申請。薬効分類422。

エプキンリ皮下注4mg、同皮下注48mg(エプコリタマブ(遺伝子組換え)、ジェンマブ):「以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫。▽びまん性大細胞型B細胞リンパ腫▽高悪性度B細胞リンパ腫▽原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫―。再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類429。

ジェンマブの独自技術プラットフォーム「DuoBody」を用いて作製された皮下投与の二重特異性抗体。T細胞の細胞膜に発現するCD3及びB細胞性腫瘍の細胞膜に発現するCD20の両者に結合することにより、CD20を発現する腫瘍細胞に対してT細胞依存性の細胞傷害活性を誘導し、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。

用法・用量は、「通常、成人にはエプコリタマブ(遺伝子組換え)として、28日間を1サイクルとして、1サイクル目は1日目に1回0.16mg、8日目に1回0.8mg、15日目及び22日目に1回48mgを皮下投与する。その後は1回48mgを、2及び3サイクル目は1、8、15、22日目、4から9サイクル目には1、15日目、10サイクル目以降は1日目に皮下投与する」。

本剤はジェンマブとアッヴィのがん領域におけるグローバルな提携関係のもと、両社が共同開発している。日本ではジェンマブが製造販売し、アッヴィと共同販促する予定。

フェスゴ配合皮下注MA、同配合皮下注IN(ペルツズマブ(遺伝子組換え)・トラスツズマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、中外製薬):「HER2陽性の乳がん、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。再審査期間は6年。薬効分類429。

抗HER2ヒト化モノクローナル抗体のペルツズマブとトラスツズマブの固定用量による配合皮下注製剤。パージェタおよびハーセプチンに含まれるモノクローナル抗体とボルヒアルロニダーゼ アルファ(rHuPH20)の溶液が1本のバイアル中に含まれ、固定用量による投与ができる。

本剤は、rHuPH20によりヒアルロン酸が加水分解され、皮下組織における浸透性が増加することで、拡散吸収されたパージェタとハーセプチンがHER2 を発現する腫瘍細胞に対して、それぞれADCC活性を誘導することなどにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。

▽①デュピクセント皮下注300mgシリンジ②同皮下注300mgペン③同皮下注200mgシリンジ(デュピルマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とし、小児用量を追加する①②は新用量医薬品、③は新用量・剤形追加に係る医薬品(再審査期間中のもの)。再審査期間は4年。薬効分類449。

ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体。今回、生後6カ月以上のアトピー性皮膚炎患者に対する新用量が追加された。体重に応じて同剤を皮下投与し、具体的には5kg以上15kg未満:1回200mgを4週間隔、15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔、30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔、60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔――で皮下投与する。

アレックスビー筋注用(乾燥組換えRSウイルスワクチン(チャイニーズハムスター卵巣細胞由来)、グラクソ・スミスクライン):「RSウイルスによる感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類631。

国内初の呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン。膜融合前型の遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原と、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせたもの(=アジュバント添加RSVPreF3候補ワクチン)。用法・用量は、「抗原製剤を専用溶解用液全量で溶解し、通常、60歳以上の者に1回0.5mLを筋肉内に接種する」。

RSウイルス(RSV)はヒトの気道に感染し、健康な非高齢成人においては感冒様症状のみで自然軽快することがほとんどだが、高齢者等では気管支炎や肺炎等の重症感染症を引き起こすことがある。RSV感染症の治療又は予防を目的として成人において使用可能な医薬品は現在承認されておらず、成人におけるRSV感染症に対しては主に支持療法が行われている。

キュービトル20%皮下注1g/5mL、同20%皮下注2g/10mL、同20%皮下注4g/20mL、同20%皮下注8g/40mL、同20%皮下注10g/50mL(pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)、武田薬品):「無又は低ガンマグロブリン血症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類634。

ヒトIgGを20%含有する皮下注用ヒト免疫グロブリン(Ig)製剤。IgGを補充することにより血清IgGトラフ値を一定以上に維持することで、感染症の発症抑制効果が認められる。本剤は武田薬品初の皮下投与免疫グロブリン製剤。

無又は低ガンマグロブリン血症は、抗体産生不全等を原因とした血清IgG値の低下を主病態とする免疫不全症で、易感染性、反復感染、感染症の重症化・遷延、日和見感染、発がんなどを特徴とする。病因により原発性免疫不全症候群(PID)と、他の疾患や特定の薬剤等の外的要因に起因する続発性免疫不全症候群(SID)の2つに大別され、PID及びSIDいずれにおいても標準治療はIgG補充となっている。

オルツビーオ静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用3000、同静注用4000(エフアネソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)、サノフィ):「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類634。

高活性維持型血液凝固第VIII因子製剤。週1回投与でその活性を週の大半にわたり正常~ほぼ正常範囲(40%超)に高く維持できる世界初で唯一の血友病A治療薬。本薬の投与により血漿中のFVIIIを補充し、機能不全に陥っていた血液凝固カスケードを進行させ、出血傾向を抑制する。

用法・用量は、「本剤を添付の溶解液全量で溶解し、緩徐に静脈内に投与する。出血時又は周術期に投与する場合、通常、1回体重1kg当たり50国際単位を投与する。なお、投与量は患者の状態に応じて適宜減量する。定期的に投与する場合、通常、体重1kg当たり50国際単位を週1回投与する」。

アレモ皮下注15mg、同皮下注60mg、同皮下注150mg、同皮下注300mg(コンシズマブ(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスク ファーマ):「血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する先天性血友病患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類634。

抗TFPI(組織因子経路インヒビター)モノクローナル抗体。TFPIを阻害することで本剤はトロンビンと呼ばれる蛋白質である血液凝固因子の産生を促進し、血液凝固を助け、出血を防ぐ。本剤はインヒビターを保有するあらゆるタイプの血友病に対し、1日1回の皮下投与で出血を予防する(遷延する自然出血を予防するための定期的投与)薬剤として開発された。

22年度血液凝固異常症全国調査において、国内のFVIII又はFIXに対するインヒビターを保有する血友病患者は、合計105例と報告されている(血友病A:90例、血友病B:15例)。

クイントバック水性懸濁注射用(沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン、KMバイオロジクス):「百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎及びインフルエンザ菌b型による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。再審査期間は8年。薬効分類636。

百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)による感染症を予防する5種混合ワクチン。初回免疫は小児に通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも20日以上の間隔をおいて皮下又は筋肉内に接種する。追加免疫は初回免疫後6カ月以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下又は筋肉内に接種する。

5種混合ワクチンは阪大微生物研究会のゴービックに続く2剤目。小児期における予防接種回数の削減につながり、小児や家族の負担軽減が期待されている。

リスティーゴ皮下注280mg(ロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)、ユーシービージャパン):「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類639。

皮下投与の胎児性Fc受容体(FcRn)を標的とするヒト化モノクローナル抗体。FcRn を介したIgG抗体のリサイクル経路を阻害し、病原性IgG 自己抗体を含むIgG 濃度を低下させることにより、治療効果を示すと考えられている。体重に応じた用量を1週間間隔で6回皮下注射し、これを1サイクルとして投与を繰り返す。

アクテムラ点滴静注用80mg、同点滴静注用200mg、同点滴静注用400mg(トシリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。薬効分類639。

ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体。既承認の「腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群」との効能・効果について、今回、「腫瘍特異的T細胞輸注療法」を削除して「悪性腫瘍治療」となった。

サイトカイン放出症候群(CRS)は、CAR-T細胞療法や一部の抗体医薬品等を用いた悪性腫瘍治療で見られる副作用の一つ。既にCAR-T細胞療法に伴うCRSの効能を取得しており、承認申請は、抗悪性腫瘍薬の臨床試験成績に基づき行われた。

ジアグノグリーン注射用25mg(インドシアニングリーン、第一三共):「肝外胆管の描出」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。薬効分類722、729。

肝・循環機能検査用薬。赤外光で励起され蛍光を発する性質を有しており、投与後、蛍光像を撮影することにより血管及び組織の観察が可能となる。
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