KKR札幌医療センター（札幌市）の敷地内薬局の整備入札をめぐって不正を行ったとして、北海道警は8月31日、公契約関係競売入札妨害の疑いで、アインホールディングス（HD）常務取締役で、子会社アインファーマシーズ社長の酒井雅人容疑者(54)＝東京都世田谷区＝ら３人を逮捕した。

逮捕されたのは、酒井容疑者のほか、アインファーマシーズ取締役の新山典義容疑者(55)＝札幌市東区＝、同センター元事務部長の藤井浩之容疑者(62)＝北海道石狩市＝の３人。

逮捕容疑は３人が共謀して2020年12月、センター敷地内の薬局を運営する事業者選定でアインHDに優先交渉権を得させようと考え、共謀して公正な入札を妨げた疑い。道警によると、すでにアインHDが企画提案書を提出済みだったにもかかわらず、藤井容疑者が新山容疑者に競合他社の提案内容を教えた上で、アインHDに企画提案書を再提出させたという。事件当時、酒井容疑者はすでにアインHD役員で、新山容疑者は北海道支店長としてかかわったとみている。センターは国家公務員共済組合連合会が運営し、藤井容疑者は「みなし公務員」だった。

逮捕を受けて、アインHDは「本件を厳粛に受け止めており、当局の要請に誠意を持って対応する等、引き続き捜査に全面的に協力してまいります。このような事態に至ったことについて、関係者の皆さまへ多大なご迷惑とご心配をおかけすることになり、心よりお詫び申し上げます」とコメント。センターはホームページ上で「当院在職中の行為に関して逮捕されたことは、誠に遺憾であり、患者様をはじめ関係各位には多大なるご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。詳細について確認中ではありますが、捜査機関の捜査に全面的に協力してまいります」と発表した。