アインHD元常務らの控訴審は即日結審 判決は来年1月 札幌高裁
公開日時 2024/11/13 04:48
KKR札幌医療センター(札幌市)の敷地内薬局の整備入札を巡って不正を行ったとして、公契約関係競売等妨害罪に問われたアインホールディングス(HD)元常務取締役の酒井雅人被告ら2人の控訴審が11月12日、札幌高裁(青沼潔裁判長)であり、即日結審した。判決は2025年1月28日。
一審の札幌地裁判決では、酒井被告と子会社アインファーマシーズ元取締役の新山典義被告のいずれも懲役6月、執行猶予2年の判決を受けた。控訴審では、弁護側が一審判決を不服として改めて被告人質問や証人尋問を求めたが、札幌高裁はいずれも「必要性がない」として却下した。弁護側の異議も認められず、控訴審は即日で結審した。
第一審判決によると、酒井被告ら2人はセンター元事務部長と共謀して、センター敷地内の薬局を運営する事業者選定の公募でアインHDに優先交渉権を得させようと考え、偽計を用いて公の入札の公正を害す行為をしたとされる。第一審で酒井被告らは「事業者選定の公募は“企画競争”であり、罪名上の“競争入札”には当たらない」などとして無罪を主張したが、判決は企画競争が「競争入札との各種の相違点を踏まえても、その内容、手続き及び目的に照らして、単なる随意契約ではなく、競争入札の実質を具備している」として弁護側の主張を退けた。