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新型コロナ患者を月10人以上診ている医療機関 約4割で経口新型コロナ治療薬を処方せず

公開日時 2023/08/10 04:52
1カ月に10人以上の新型コロナ患者を診ている医療機関において、ゾコーバ、ラゲブリオ、パキロビッドのいずれの経口新型コロナ治療薬も処方していない施設が約4割あることがわかった。処方なし施設の割合は2023年4月50.7%、5月45.6%、6月42.6%、7月38.1%――だった。一方で、約6割の処方あり施設でも、陽性者全員に経口新型コロナ治療薬が処方されているわけではなく、重症化リスク因子のある患者ほど処方されているようだ。

文末の「関連ファイル」に、4月以降の経口新型コロナ治療薬の処方施設割合の資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルはこちら)。

新型コロナ患者には、解熱鎮痛薬・アセトアミノフェン、抗プラスミン剤・トラネキサム酸、去痰剤・カルボシステインの処方が多く、経口新型コロナ治療薬まで処方する症例は必ずしも多くはないといわれていた。今回の調査結果から、症例ベースの切り口だけでなく、最大で約4割の施設において、施設(医師)として経口新型コロナ治療薬は処方しない方針、又は情報不足で処方できないとの状況の可能性がある。後者の場合は安全性や有効性などの情報提供活動を通じて、最適患者に処方される環境を整える必要がありそうだ。

この分析結果は、エムスリーが独自に構築したリアルワールドデータベース「JAMDAS」(Japan Medical Data Survey:日本臨床実態調査)によるもの。JAMDASでは主に開業医の処方実態を把握できる。

JAMDASによると、1カ月に10人以上の新型コロナ患者を診ている施設数と、その中の経口新型コロナ治療薬の処方あり施設数は、4月は404施設/199施設(処方施設割合49.3%)、5月は805施設/438施設(54.4%)、6月は1136施設/652施設(57.4%)、7月は1177施設/729施設(61.9%)――だった。

処方あり施設は、経口新型コロナ治療薬を1例以上処方した施設をカウントしたもの。エムスリーは本誌取材に、処方あり施設について、「陽性者全員に処方しているということはなく、陽性者のうち一部の患者に処方されている。多くの施設で重症化リスク因子のある患者への処方率が高い」と説明した。ただ、直近データでは、重症化リスク因子のない患者への処方も増加していると言い、「症状の早期緩和や周囲への伝播抑制、後遺症抑制のために治療薬が処方されているかもしれない」との見方も示している。
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