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英NICEガイダンス案 米ファイザー社の片頭痛予防薬Vyduraを推奨

公開日時 2023/06/13 04:50
英国立医療技術評価機構(NICE)は5月31日、米ファイザー社のCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)受容体拮抗薬Vydura(リメゲパント)について、反復性片頭痛の予防の適応で国民保健サービス(NHS)における通常使用を推奨する最終ガイダンス案を発表した。同ガイダンス案での適応は、月に少なくとも4回(日)以上15回(日)未満の片頭痛発作を発症、同疾患に対して少なくとも3種類の予防治療受療歴がある反復性片頭痛である。今回の推奨により、イングランドではNHSにおける最大14万5000人の反復性片頭痛患者に同剤使用の道が開ける。

イングランドでは、560万人が反復片頭痛に罹患していると見られ、毎日19万件の片頭痛発作が起きているといわれる。既存の片頭痛予防薬としては、ベータ遮断薬、抗うつ薬、抗てんかん薬など他の疾患の治療薬が使用されており、これらは重篤な副作用発現の可能性もあり、有効でない患者も存在する。これら薬剤による治療後には、NICE推奨のヒト化抗CGRP受容体モノクローナル抗体製剤エレヌマブ、同フレマネズマブあるいは同ガルカネズマブが使用されているが、いずれも注射剤である。

◎「見逃されたり未治療の片頭痛に対し、既存治療法に比べ利便性が高い」Helen Knight医薬品評価部長

NICEのHelen Knight医薬品評価部長は、「リメゲパントはNICEが推奨する片頭痛初の経口治療薬であり、何千何万という患者にとって歓迎すべきこと。しばしば見過ごされたり、未治療であるこの疾患に対して既存の治療法に比べより利便性の高いものである」と同剤を称賛。そのうえで「ガイダンス案は、納税者の価値を保障する一方で、人々にとっての最も大切なことや最善の治療法を獲得することに集中している我々の取り組みを象徴するものである」とコメントした。

NICEは、リメゲパントについての最終使用推奨ガイダンスを来月(6月)に刊行予定。
 
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