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【有識者検討会 6月6日 その2 発言要旨 報告書案「第2章」をめぐる議論】

公開日時 2023/06/07 05:51
厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の13回目の会合が6月6日に開催された。この日は、有識者検討会の報告書(案)が事務局から示され、議論した。発言要旨(その2)では、「第2章 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた対策」をめぐる構成員による議論の発言要旨を公開する。

【有識者検討会 報告書案 構成員による質疑Part2】

遠藤座長:それでは「第2章 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた対策」につきまして、ご意見等あればいただきたいと思います。如何でございましょう。それでは三村構成員お願いします。

三村構成員:コメントさせていただきます。1章につきまして私は全体としてはよく整理されていると思います。語彙について修正いただければというふうに思います。後発薬を巡る供給不安と安定供給についてですけれども、何より供給不安発生の複合的要因ということを明記して頂いた。大変良かったと思います。産業構造の脆弱性とか、原薬、原材料の特定国偏在の地政学的リスク、それが薬価制度上の課題というものを全て合わせ、さらにそこにサプライチェーンとしては脆弱性と流通取引上の問題も併せて入れていただきました。そのことを踏まえてということですが、当然ながら総価取引を含め流通取引のあり方が非常に大きな問題であるということは認識しており、やはりサプライチェーン全体としての脆弱性をきちんと国のある意味、政策方針としてきちんと対応すべきだということをここで明記していただいたのは、大変大きな流れだと思います。

新しい医薬品産業政策の一つの新しい視点と切り口を入れていただいたと思います。企業の努力の範囲を超えた部分についてもしっかり国としても取り組むということを入れていただきました。その過程の中で後発薬の産業構造を見直すともに、医療上必要性の高い医薬品ということが非常にこれから重要な定義になりますし、むしろこれをどのように具体化することが、いろんな検討の中で重要だというふうに思いますけれども、何よりも25ページから26ページのところで基礎的医薬品と安定確保医薬品のある意味での位置付けの強化、あるいは整合性の高い仕組みをつくるということを明示していただいたことは大変良かったのではないかというふうに思います。また26ページにおいて、これはある意味でどのような法制度をつくるかという将来的に中長期的な課題があるというふうに思いますけれども、現状でまずやれることが何かということの話の中で、サプライチェーン強靱化に向けて国の資料とか緊急時における国のイニシアティブということを書いていただきました。これある意味で関係者にとっては非常に重要で、非常に励ましとなる言葉になるだろうと思います。

とにかく、企業も卸も、医療や調剤の現場っていうことにつきましても、皆さんで協力しながら何ができるかということについて、基本的に検討を進めていくべきですし、おそらくその過程の中で、今の制度の中できないことが見えてくるというふうに思います。新しい仕組みを今後作る可能性も含めて、ここについての検討が進むということになります。大変いいことだと思います。

それからもう一つ、ドラッグロスとドラッグラグのプロセスに関する施策ということで、私の専門ではないのですが、総合的政策、環境整備について、今回しっかりと書き込んでいただいたということは良かったのではないかと思います。ただ一つ、やはりこれがこれから流通をどう考えるかということも関係いたしますけれども、流通の視点からみると、実は新薬創出加算制度が非常に大きな実を持つというふうに感じております。これにつきましては489行目~491行目のところで提示していただいたのですけれども、実は遠藤座長から新薬創出等加算制度を平成30年に見直され、つまり品目要件の明示、明確化があったということのご説明ございました。非常に重要なご説明だったというふうに思います。実はこれは、薬価制度の従来の考え方に対してある意味で考え方が少しずつ変わったということを明示されたのではないかというふうに思うのです。正直言いましてこれが川上の変化とか川下の変化とか連動していなかった。ある意味でそれがきちんとうまく意思疎通ができていなかったというような感じを受けております。これが今日に残っている問題の一つの原因じゃないかというふうに思います。

今回は川上、川中、川下を通して全体として検討していただいたことの意義、大変多かったというふうに思っておりますし、あと特許期間中になぜ薬価が下がるのかという非常に海外から寄せられる非常にある意味での常識的な疑問に対してなかなか答えられなかったということも、意外とこの辺りにあるのかもしれないという感じがいたしました。非常によくわかりましたのはモダリティの多様化が非常に高まっているということ。新しいタイプの医薬品が基本的に登場する過程の中で流通も変わるべきだというふうに思います。今回、流改墾での検討も当然進められるということがありますけれども、基本的に今のような状況を踏まえて、従来のような流通の枠組み、従来の取引体系従来の考え方では、基本的に適切ないということについてもしっかりと伝えていく必要があるないかという感じがいたしました。これまで流通取引に関わってきた者としての一つの反省でもございます。

医薬品流通あくまで安定供給の責任を持つということからしっかり今回書き込んで頂いたのですが、実はもう一つ重要な役割がございまして、医薬品の価値をしっかりと医療現場とか患者に届ける仕組みが医薬品流通でございます。このあたりがもちろん関係者はそういうことを理解されているはずですけれども、しっかりされていなかったじゃないかというふうにも思います。

ガイドラインを今後強化し、主旨を明確化するということですけれども、その過程で改めて医薬品の特性に適合する取引体系というようなことになると書いていただきました。恐らくこれは医薬品の特製分化という言葉なんですけど、私はもう少し踏み込んで考えると、医薬品の価値体系が分化している。それに合わせて当然、供給体系とか取引体系とかあり方は変わるし、ある意味で非常に良くわかりましたのは医薬品の価値っていうのは患者にとっての価値であるとともに、当然特許、知財たちの価値が非常に大きい。そのことを十分に流通の現場までが理解が浸透していたんだろうかという感じもいたします。その理解がない限り総価取引というものをやめてくださいと言ってもなかなか止めることができないかもしれない。そのことについての理解と認識を今回しっかりと深め、固めていくための重要な出発点になったのではないかというふうに思います。まだまだ検討すべきことは多いが、非常に重要な一歩になったというふうに思っておりますので、私は厚労省の努力あるいは遠藤先生のいろんな形でのご努力に感謝いたします。以上です。

遠藤座長:ありがとうございました。他に何かご意見ございますか。それではオンラインで小黒構成員が手を挙げておられるようなので、小黒構成員お待たせをいたしました。

小黒構成員:2つございます。1つは17ページと32ページの市場拡大再算定ところに繋がるものです。いわゆる“共連れ”の見直しについては記載いただいたので、これは非常に画期的な提案になっている。他方、有識者検討会で議論がありましたけど、通常の再算定については、やっぱり見直しの対象外になっていることがちょっと気になっていまして、いわゆるその効能追加とか用法用量の再算定を維持するのは当然ですけども、有識者検討会で議論がありましたように、その通常の再算定についてもその見直しをしていく余地があるんじゃないかと思います。もし可能であればその辺記載いただければというのが一点です。

もう一つは35ページの冒頭のところの「その他の課題」のところです。遠藤先生がおっしゃられた例のデータの話もございますが、これは引き続きその他の課題として検討していくということが非常に重要だというふうに思う。今の案ですと「本検討会においては前述の他、以下のような意見があった」という形になっておりますけども、「本検討会においては、前述の他、以下のような課題の提起がなされた」と、「また、これを踏まえ今後検討を行うとともに必要な対応をすべきである」とすべきではないか。委員の間に途中バージョンの報告書が流れていましたけども、それと似たような表現に、元に戻していただくということを検討いただければというふうに思います。よろしくお願いします。

遠藤座長:はい、ご意見として承りました。ありがとうございました。他にございますか?それでは芦田構成員お願いいたします。

芦田構成員:座長、発言の機会をいただきましてありがとうございます。また事務局の皆様、短期間でこれだけの内容を整理してまとめていただき、本当にありがとうございます。私から第2章の2-⁠2-1「創薬力の強化」のところで3点ほどコメントをさせていただきたいと思います。

まず一点目ですけれども、803行目です。こちらにアカデミアにおける創薬研究の推進強化について述べられています。日本オリジンの医薬品の開発においては一番川上に当たるアカデミアにおける研究開発の推進強化を入れていただきました。非常にそこは必要なことであるというふうに認識しております。その日本のですね、アカデミアの創薬研究の課題の一つとして、アカデミアが収集しているデータや、アカデミアから出願されている特許のクレームの範囲が製薬業界から見て十分ではないということが指摘されていると思います。

この点については、政府の健康医療戦略本部の医薬品開発協議会においても、アカデミアと企業のギャップを埋める仕組みということが課題として認識されており、昨今、AMEDなどでも、それに対する解決方策というものが始まっているというふうに認識しています。そこをさらに進めるべきだというふうに私は考えておりまして、アカデミアが製薬業界が求める水準のデータの取得であるとか、特許出願が行えるように、政府としてもその伴走支援をより強化する必要があると思います。そのためには製薬業界からの協力をさらに仰いでいくということも必要ではないかなというふうに考えております。これが一点目です。

2点目ですけれども、この報告書の中で度々バイオ医薬品という用語が出てまいります。例えばこの27ページの797行目です。遺伝子組み換え型のバイオ医薬品、遺伝子治療系の再生医療等製品といった新規モダリティといったところで出てきます。いわゆるバイオ医薬品には再生医療等製品は含まない別のものというふうにここで書かれているわけですね。

一方、同じページの812行目には、バイオ医薬品の開発であるとか、国内におけるバイオ医薬品全般の開発という用語が出てきます。それから824行目にはCROやCMO、CDMOについて書かれているとこですけども、ここでもやはりバイオ医薬品という言葉が出てきます。

いま申し上げた812行目とか824行目は、文脈から考えますと、そのいわゆるその狭い定義でのバイオ医薬品というよりは、それこそ遺伝子治療を含む再生医療等製品を含むそういった新規モダリティ全般についての開発のケイパビリティであるとか、その推進ということが論じているように思われます。また、新規モダリティにはいわゆる核酸医薬のような化学合成品も重要な新規モダリティと考えていますので、こういったことも含めて議論されているのかなというふうに考えます。そう思いますと、ちょっとバイオ医薬品という言葉をもう少し整理して使っていただいて、新規モダリティという言葉に置き換えるべきところは、そのように変えていただいた方が適切ではないかなというふうに考えます。

それから3点目ですけども、同じように全般を通じてですね、ベンチャー企業という用語が使われております。28ページですが、何ヶ所かスタートアップという用語が使われています。意図して何か区別して使われているのかどうかというところですが。文脈が変わるとどちらかに統一して書かれた方がよろしいのではないかなというふうに思います。私からのコメントは以上です。

遠藤座長:重要なご指摘ありがとうございました。後でまとめて事務局からコメントあればいただきます。香取構成員がオンラインで手を挙げておられますので、香取構成員お願いいたします。

香取構成員:はい、申し訳ありません。一つは質問っていうか見解です。今ちょっと芦田構成員のご指摘のところの新規モダリティについて、800行目当たりですけど、デュアルユースの話が書いてありますよね。これはちょっと私の理解ですが、実際の製造現場で平時は通常の医薬品を作って、感染時にワクチンを作るっていうコンセプトですけど、これって本当に機能するのでしょうか。私の知る限り、デュアルユースは実際にそんなにうまくいかないっていうか、あんまりうまくいっている例を知らないです。諸外国を含めて私は知らないので、例示としてデュアルユースをバイオの新規モダリティの対応のやり方として書くというのは、確かあんまりそんなに議論になってなかったような気がするので、ちょっとそこはお考えを聞きたいという質問です。

あとはですね二つありまして、一つは600ページのところで調整幅の話が出てきました。第1章のときにちょっと申し上げたのですけど、その調整幅っていうのをどう考えるかってやっぱ大問題で、この有識者検討会でもだいぶ議論したと思うのですが。そもそも2%がそのばらつきを吸収できているかどうかっていう問題がもちろんあるんですけど、そもそも調整幅はばらつきだけではなく、薬価と加重平均額との乖離が実は問題となる。いま8%で0.625を掛けて改定をしたわけですけども、それぞれの競争条件というか、市場環境が違っている。これもずいぶん指摘があったと思う。先発品、後発品、薬効群、剤型、基礎的医薬品それぞれ条件が違うので、それぞれごとにいわゆる薬価と取引価格の間の監査のやり方について、それを一律2%で、その調整幅でその切るっていうのがどうかっていうのはずいぶんしたと思う。この調整幅については第1章には出てくるのですけど、第2章では調整後どう考えるかってことについての方向性が、私が見るところ、ちょっと明確に書かれてない気がする。これは書かないっていうことなのか。私はある程度問提起する必要があるんじゃないかと思っているので、どうかということです。

あともう一つは、中間年改定の話です。中間年改定は価格形成を相当歪めていることや、流通のところで頻回の価格改定交渉することが非常に大きな負荷になっていると。あるいは調査費が負担になっていると書かれているわけですけれども、その中間年改定についてどこに書いているか探したら、「その他」のとこで書いてあった。これは「その他」のとこで書くというよりは、やっぱり流通のとこで書くのか、後発品のところで書くのか、詳しいところはわかりませんけれども、新薬のとこで書くことなどもあるのかもしれませんが、やっぱり中間年改定とか書いて頻度を考えるかはかなり大きい問題なので、そこは一定の方向性を指摘して出すということがいるような気がする。これはちょっとカットすると結構大きいことになるので、ちょっとこの時点でちょっと申し上げるのもどうかと思ったんですが、ちょっとあるのではないか。

3点目は、これは感想ですけれども、薬価に関するところは言葉の表現ぶりが弱い。例えば研究開発の経営資源の集中という850行目くらいのところでは、特許期間中に投資コストの回収が可能なるように薬価制度の見直しを行うと明確に書き切るんですが、その後段の新規収載薬価や改定時薬価の話だと、新たな評価方法を検討するとか、見直しを検討するとか、「見直しを行うべき」というように書き切っていない。やっぱちょっと後段は提言のところなので、書き切れるところはできれば、書き切るような表現にならないのか。以上です。

遠藤座長:ありがとうございました。三浦構成員お願いいたします。

三浦構成員:ありがとうございました。一点だけです。最後の適切な医薬品流通に向けたというところですが、7行目ぐらいでしょうか、医薬品特有の取引慣行や過度な薬価差の話のところなんですが、やはり総価取引は一番大きな問題と思っておりまして、2つ目の丸のところにそれをどう解除改善していくかって話とか、3つ目のところで過度な薬価差をどうするかっていう話があるんですが、もう一歩踏み込んでいただきまして、「総価取引減算制度」など、例えばですけれども、そのぐらいの順番でもいいかなという感じがちょっとしております。

すでに未妥結減算制度もあるが、やはり医薬品流通はなかなか結構古い体質がけっこう残っていたものですから、同じように何か総価取引減算制度で総価取引をやっている場合は、もちろん簡単な話じゃないかと思うんですけれども、やはり総価取引っていうのは過度の薬価差をとっているっていうだけではなくて、その結果、やっぱりジェネリックのメーカーの方々が本当に値段が下がってしまうので、その結果やっぱり新しい申請を出さざるを得なくて、その結果少量多品種生産の悪循環に入られている感じがいたします。やっぱり総価取引ってかなり重要な大きな問題ですので、一つの可能性としては何か未妥結減算制度があるならば、何か総価取引減算制度みたいなことも可能性があるかなという感じをいたします。クローバックなどいろんな可能性もご検討されているわけですので、そういった意味で何か総価取引減算制度みたいなことを考える余地があるみたいなことも書いていただければと思います。

遠藤座長:具体的なご提案ありがとうございます。オンラインで井上構成員がお手を挙げておられますので、よろしくお願いいたします。

井上構成員:発言の機会をいただきありがとうございます。これまでの議論で、私の分は少なくとも反映して頂いた。特に業界再編のところについては734行目から736行目等の表現はかなり踏み込んでいただいているのではないかと思う。こうしたことを示す上で企業にもやはりインパクトあるでしょうし、こうした検討が進んでいくということで大変期待するところでございます。

もう一つですね。この734行目~736行目で、これはいわゆる創薬側といったことになるわけですけども、その次にサプライチェーンの強靱化があって情報共有の仕組みということも765行目~769行目にかけてという形で、そうした情報共有のより迅速な共有体制の構築と書かれておりました。ここも非常にサプライチェーンの強靱化に資するものかと思っております。そういう意味では全く違和感ないですし、非常によく事務局の方に書いて頂いていると認識しているが、やはり創薬側、製薬企業側がこうした形で業界再編をしていったときにどうしてもこれサプライチェーンの方も影響を受けてくるのでどこに書くかは微妙ですけれどもこの業界再編に向けた取り組みについて、今後、集中的な取り組みを政府において行うべきであるというところに付随して、やはりその場合には流通の方も影響を受けるということを前提に、流通業界のサプライチェーン側のそうした業界強化というか再編も含めた支援策、インセンティブ、そうしたものも一緒に議論していかないと、川上だけ業界再編を進めながら川中とかいうその部分というのが、そうしたもので取り残されていくというところを若干懸念している。やはりその全体的な取り組みとしてのサプライチェーンの強靱化の一部としての業界再編というところもあわせて期待しても良いのではないかというふうに思います。

ここに2-⁠1-⁠3に書くべきなのか、それとも総合的なということで、730行目から736行目のところにそうした場合にはサプライチェーンの影響も考慮しそしてサプライチェーンにおいても必要な施策をとるというような形で付記するのかは事務局におまかせします。この辺はやはり、あまりスコープが狭くなると、全体最適にいかない可能性があるのであるので、この一点だけちょっと気になりました。以上でございます。

遠藤座長:はい、重要なご指摘ありがとうございました。他にいかがでございましょう。川原構成員どうぞ。

川原構成員:広範な課題と方向性について適切にまとめていただいてありがとうございます。素晴らしい報告書になったのかなと考えております。私も今回、必要と思われる課題と方向性につきましては適切に記載して頂いているというふうに考えております。

その中で一点だけ、その文言の部分ですけれども、1067行目ですけれども、全国にあるグループ店舗の本部一括交渉というところでいきなり「グループ店舗」という文言が出てきます。第1章においては調剤薬局や価格交渉を代行する業者ですとか、みたいな形で定義されていますので、そちらになるべく平仄を揃えた方がいいんじゃないのかなというふうに思っております。報告書の内容としては私は素晴らしいものができているんじゃないかなというふうに考えております。以上でございます。

遠藤座長:はいご指摘ありがとうございました。それでは菅原構成員お願いいたします。

菅原構成員:発言の機会をいただきましてありがとうございます。私の方からですね第2章に関しては、またちょっと若干文言の修正についてのお願いが3点とそれから全体のコメントをさせていただきたいと思っております。

まず文言の方です。690行目です。「非常事態に対応できる余力を持った製造が求められる」と書いてあるが、余力を持った製造というのが少しちょっとわかりづらいので、おそらくこれは「余力を持った製造体制を構築すべき」であるとかそういう話だと思う。ここの部分に違和感があるのでちょっと考えていただいた方がいいかなというふうに思う。それから781行目から783行目ですが、日本の製薬産業の現状として「そのような創薬力を有しているとは言えない」と、ほぼ宣言しているが、「一部頑張っている」とか、「ポテンシャルのある企業あるので必ずしも有しているとは言えない」とか「いまだ十分有しているとは言えない」とか、もうちょっと文言を考えた方がいいかなというふうに思う。

それから1050行目から1053行目ですかね。ここは私の発言を反映させていただけたところだと思うのですけども、公的保険の枠内でというか、「枠内のみ」で考えるのではなくというところを入れていただけるとありがたい。あとは枠外を含めて考える視点も必要であるというふうに若干発言者の趣旨として、もう少し広く捉えていただけるとありがたいです。以上が文言修正に関する検討のお願いでございます。

全体の第2章それからその他の課題に関するコメントです。まずこの有識者検討会で非常に幅広い課題について議論がなされた中で、私もいくつか自分の主張を取り上げていただきましてありがとうございました。特にドラッグロス・ドラッグラグに迅速に対応するための新たなインセンティブ導入だとか、新たな評価方法という形ですけども、新薬の値付けについても新たな評価方法という形で表現をされている。若干踏み込み不足というような、不満もないわけじゃないですけれどもそういう形で反映されているというふうに思っております。

また原価計算方式の是正について私もずいぶんコメントしましたけども、明確にどうすべきではないと話してありますけれどもやはり問題点があるというのは指摘をしていただいて今後の検討課題になったというありがたい話でございます。また、患者参画やチャレンジ申請の導入、それから調整幅、薬価の偏在に関する今後の検討の方向性の中でクローバックだとか、公定マージンという言葉が織り込んでいただけたのも大変ありがたく感じております。

一点要望といいますか、ご検討いただきたいところがある。977行目の市場拡大再算定の記述ですけれども、ここの議論についてはやはり市場拡大再算定制度そのものの問題点として、特に市場拡大再算定品目だけで薬剤の適正化が非常に広範に行われているという現状認識とかそういったこともかなり言われてきたと思います。今回のこの市場拡大再算定に関する対策課題については先ほど言った“共連れ”特に類似品の考え方についてのみに課題が集約されてしまったような気がいたします。であればやはり非常拡大再算定の対象品目の考え方だとか、その現状のやり方そのものについても、共連れとともにやはり検討すべきではないのかなというふうに思いますので、ご検討いただければ幸いであります。

それからその他の課題につきましてでありますが、先ほど委員からも指摘ございましたけれどもここに挙げられた課題っていうのはかなり特に遠藤座長自ら発言された薬剤データがそもそもない中で議論するのはどうなのかってことを含めて非常に重要な問題を含んでいると思います。各意見、非常に大事だというふうに思っております。ですので意見があったという記述だけではなく、恐らく1062行目のところで、それを受けてもちろんここだけの議論ではなくて、他の関係の会議の中でしっかりやるというメッセージは書かれているというふうに私自身は解釈をしておりますけれども、しかしその書きぶりとして1022行目のところに意見があったというだけではなくてですね、やはり「その他の意見」について会議体でしっかりとした継続的な議論が行われることを少なくとも期待するだとか、継続されるべきであるというような文言を入れるべきだというふうに思っております。

途中、薬剤費の適正化に関する課題等々に書かれておりますけれども、実際ですね実はあの2月の中医協の中で実際にこういった様々な議論が既に行われている。財政審等々の資料なども聞きながら、今後、中医協や、あるいは医療保険部会でもちゃんとこういった議論をすべきだというふうに中医協委員のご発言があったというふうに記憶をしております。

したがいましてここに関しましてはその他の課題中ですね意見があったというだけではなくて、もう少し踏み込んだ議論を喚起するような記述をお願いしたいというふうに思っております。長くなりましたけど以上でございますありがとうございました。失礼いたします。

遠藤座長:はい、どうもありがとうございました。貴重なご意見だと受け止めさせていただきました。他にございますか。よろしゅうございますか。それでは堀構成員お願いいたします。

堀構成員、(オンラインで音声不調)

遠藤座長:声が聞こえません。ご意思があったということは、常時受けとめましたので、この会議はまだ継続しますのでどうぞよろしくお願いいたします。それでは様々なご意見が出ましたのでコメントできる範囲で事務局からご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

事務局:事務局でございます。まず個別で細かいお話で恐縮でございますけれども香取構成員よりご指摘いただきました。ご質問をいただきましたデュアルユース事業に関しましてお答えをさせていだきます。こちらの経済産業省で実施している事業でございますけれども、まさに各受託業者、事業者の方で、どのような平時の生産を行うのかといった取り組みの具体化を進めているところというふうに私の方では聞いてございます。

現時点で何か事業に当たって何か支障が生じているという話は聞いておりません。我々としましても状況につきましては注視してるところでございますのでご指摘いただきました点も踏まえながら必要な協力経済産業省ともにですね協力して進めてまいりたいと考えてございます。

安藤課長:続きまして全体を通じてということで、一つ一つご回答は控えさせていただきたいと思います。まず様々なご意見ありがとうございました。事実関係に関するものについては、こちらでも確認をさせていただいた上で必要な修正等を考えたいというふうに考えてございます。

その上で、特に対策の方向性のところについてはですね、正直申し上げるとご意見として承って持ち帰って調整をさせていただきたいと思いますが、ここに至る過程でも様々調整を経た上で本日いろいろ報告書の案になっているということでございますので、もちろん委員の皆様方からですね、いただいたご指摘についてはできる範囲で反映できるように我々も努力させていただきましたけども、現時点ちょっと到達点がここであると、その上ですね、ちょっと本日いただいたご意見もまた踏まえまして再度調整をさせていただきたいと思います。100%対策の方向性とか特に影響がかなり大きいということもございますので、全部要するにできるかどうかというところでは申し訳ございません。なかなか難しいものがあるのかなという感じがしてございます。いずれにしても反映できるところについては反映していきたいですし、それとあと、検討会でここに書くかどうかは別にしてですね、問題提起いただいた論点についてはしっかりと我々の方で事務局の方で受けとめさせていただいて、引き続きこの後のですね様々な検討というのは続きますので、そういったものの中で、きちんと課題提起なり議論を継続させていただきたいというふうに考えているところでございます。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。はいそのような形でこの報告書につきましては対応させていただければと思います。具体的には文言の修正ですが、今のようなプロセスも経まして必要に応じて発言された先生にも調整をさせていただくということを前提にして、全体としましては座長預かりという形で一つまとめさせていただければなと思います。そのような対応でよろしゅうございますか。はい、ありがとうございます。それではそのように対応させていただきたいと思います。本当にどうもありがとうございました。

当検討会につきましては冒頭事務局から説明がありましたように各事項のフォローアップ等を行うためにまだ継続をしております。ある意味、今後ますます重要なポジションになるということも考えられますのでぜひ先生方におかれましては引き続きよろしくお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

それではこの報告書の取りまとめについてはそのようなことでよろしゅうございますね。はい、それでは最後に城審議官から一言いただければと思います。

城審議官:皆さん本当にありがとうございました。13回にわたりまして、まずはファクトの確認と課題の整理ということで、この検討会自体は。今まで厚生労働省でやったことない産業やユーザーの視点から分野横断的にファクトを整理し、課題を整理し、対応策を提言するという形のものでございまして、相当広い上にわたってご専門の立場からいろいろご意見をいただき本当にありがとうございました。

なかには技術進歩の対応でありますとか、様々な最近の変化やトレンドをどのように各制度に生かすかという観点だったんだろうなと私自身を考えております。本日の対策の方向性の提示をいただきました。議論を踏まえて、さらに直せるところなど、ここに反映できたものできないものを含めまして、今後、それぞれの舞台といいますか、場と言いますか、検討して決めるべき場が他にあるものもございます。そういったところにきちんと共有をし、各方面と、省内・省外を含めて協力を得て、実現すべくしっかりと対応してまいりたいと私ども考えております。引き続きのご協力をいただきたいと思いますし、まずはここまで取りまとめご協力をいただきご尽力できました。本当に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。引き続きよろしくお願いを申し上げます。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。それでは本日の検討会につきましてはこれをもって終了したいと思いますけれども、事務局から何か連絡事項はございますか。

事務局:はい次回検討会の開催につきましては未定でございますので、詳細につきましては、厚生労働省事務局より改めてメール等にてご連絡をさせていただく予定でございます。また本日の検討会の議事録につきましては後日、厚生労働省のウェブサイトに掲載予定としております事務局からの連絡事項は以上でございます。はい、ありがとうございます。

遠藤座長:それではこれをもちまして本検討会終了したいと思います本日は長時間にわたりましてどうもありがとうございました。
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