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スズケン・浅野社長 多職種つなぐデジタルプラットフォームで情報ビジネスに意欲 新中計を公表

公開日時 2023/05/17 04:51
スズケンの浅野茂代表取締役社長は5月16日の2022年度(23年3月期)決算説明会で、同社グループで開発した医療DX(デジタルトランスフォーメーション) 総合プラットフォーム「コラボポータル」を通じた情報ビジネスへの展開に意欲を示した。新中期経営計画(23~25年度)期間中の医療・介護従事者のコラボポータル登録目標として15万IDを掲げるとともに、最終25年度にデジタルヘルスケアの売上目標として100億円以上(22年度情報関連収入実績は約60億円)を目指す考えを示した。

◎ヘルスケア流通への転換 コラボポータルや在庫の見える化導入も

新中計は、「既存事業の変革」と「新たな成長事業の準備」を主なテーマとしており、浅野社長は「10年後の創立100周年に向けてコア事業の医薬品卸売事業から健康創造事業体へと転換する基盤をつくる期間と考えている」と述べた。既存事業の変革では、「サステナブルな社会インフラ基盤の確立」に向けてヘルスケア流通改革を実践し、生産性を上げることで一層の利益体質へと転換する方針を示した。

ヘルスケア流通改革について浅野社長は「医薬品卸からヘルスケア流通への転換に向け、効果的・効率的な営業改革を実行する。コラボポータルや在庫の見える化システムといったバックヤード機能を整備・導入することで、限られた営業人員であっても効果的にお得意様への接触量の拡大につながるものと考えている」と説明した。

◎健康創造事業体へ転換 デジタルヘルス提携企業と融合

一方、新たな成長事業の準備では、「健康創造事業体へ転換するためにも地域軸、さらに患者、その医療・介護従事者を起点としたデマンドチェーン発想による新規事業に挑戦したい。グループにある薬局事業、介護事業、さまざまなデジタルヘルス提携企業との融合によりその実現は可能と考えている」と述べた。

新たな成長事業の一つと位置付けるデジタルヘルスケアについては、「コラボポータルを通じて医療機関、ヘルステック企業、メーカーにメリットを提供することで、利用者の拡大により情報ビジネスにつなげていきたい」と語った。

新中計期間の3年間の累計で、既存事業(新物流センター構築560億円、支店統廃合70億円、既存設備の修繕・改修等130億円、その他セグメント等40億円)で800億円、新規事業(協業企業とのアライアンス、DX基盤の確立、地域医療在宅支援の確立)で200億円以上の総額1000億円以上の投資を計画している。

◎22年度連結業績は過去最高 売上高3.4%増の2兆3148億2800万円 コロナ収益も貢献

22年度の連結業績は、売上高が3.4%増の2兆3148億2800万円と、新型コロナ関連商材の寄与もあり過去最高を記録。営業利益は62.1%増の326億500万円、経常利益は55.3%増の363億7600万円、親会社株主帰属当期純利益は41.4%増の203億4500万円となった。医薬品卸売事業セグメントの販管費率は、コスト構造改革の取り組みが奏功し4.56%と、対16年度比で1.2ポイント低下している。

23年度は、売上高が3.6%減の2兆2319億円を見込んでいる。新型コロナ関連商材需要の大幅な減少やグラクソ・スミスクライン(GSK)の取引の見直しが響く。新型コロナ関連商材については、医薬品部分で6割減、PCR等の検査部分で8割減を見込んでいるという。営業利益は47.9%減の170億円、経常利益は45.3%減の199億円、親会社株主帰属当期純利益は36.1%減の130億円を予想している。
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