ノバルティス 放射性医薬品・ルタテラの製造販売承認を承継、富士フイルム富山化学から
公開日時 2023/04/03 04:49
ノバルティス ファーマは3月31日、放射性医薬品・ルタテラ静注の製造販売承認を富士フイルム富山化学から承継したと発表した。これによりノバルティスが同日から、ルタテラの販売を開始した。なお、流通は引き続きPDRファーマが担当する。ルタテラの効能・効果は「ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍」。
日本では、富士フイルム富山化学が2021年6月にルタテラの承認を取得し、同年9月から販売した。一方で、22年3月に、ルタテラの国内販売権などを開発元であるノバルティスのグループ会社に返還する契約が締結された。これを受けて同年7月1日から、ノバルティスが販売情報提供活動を行いながら、製造販売承認を承継する準備を進めていた。
ルタテラは、ソマトスタチン類似物質に放射性同位元素のルテチウム177を標識した治療用放射性医薬品。神経内分泌腫瘍に高率で発現するソマトスタチン受容体に結合し、ルテチウム177から放出される放射線でがん細胞を直接攻撃する。
ノバルティスのレオ・リー社長は、「放射性線リガンド療法は、標的とするがん細胞に絞って放射線を照射することで、患者さんの標的外細胞への影響を軽減しながら治療効果が期待できる画期的治療法だが、製造・輸送・取扱い施設要件など、患者さんに治療をお届けするまでに多くの方々の支援を必要とする状況もある」との認識を示した。そして、「当社は、この治療への患者さんのアクセスを安定的かつ安全に確保し続けるため、これまで以上に関係各位との連携を強化する」と話している。